本田咲彩 - 67日目 -

 今日も雨。でも午後には上がるって言ってたからな。これが勝負の結果と結びついてハッピーエンドになってくれればいいが。


 朝のお出迎えも人が少ない。慎、佐藤、柊、尾鷲、日向、更科はもうクラスに行っている。いわゆる最終調整ってやつだ。これをやるために咲彩には時間ぎりぎりに来るように昨日言っておいた。だから邪魔されることもないだろう。後は先生次第ってとこか。

 そして昼を迎える———


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 今日もいる。なぜだ? すごく居心地が悪い。彼女らに悪気はないのはわかっている。さく姉とかよ姉のファンでいてくれることも素直に嬉しい。でも私としてはSAKU-KAYOと私を分けてほしかった。だから今まで言わないでいた。最初から知っていたわたりんや後から知ることになった光ちゃんたちは知ってもなお私を私として接してくれた。でも彼女らは私をSAKU-KAYOの妹として接している。そこに違いがあるかと言われると私にもよくわからない。でもこれだけは言える。前に戻りたい。


「ねぇねぇ、今日SAKUさん何食べたの?」


「KAYOさんってマジすごすぎ! 何でこんなスタイル保っていられるの?」


「二人って普段どんなことしてるの? 教えてよー」


 彼女たちが話していることはずっとあの二人のことだ。私の事じゃない。だから黙っていた。光ちゃんにも黙ってろと言われたから。


「皆さん、よろしいですか」


 この4人とは違う声がした。隠れて見えづらかったがひなっちとアオだった。


「はぁ? 何? 私たち本田さんと話してるんだけど」


 違う。私は話していない。彼女らの勝手な思い込みだ。勝手に話しているだけだ。私はただその場にいるだけだ。それを聞いたひなっちとアオの顔は怒っていた。


「そうは見えませんでしたね。さーちゃんの話声が聞こえませんでしたので」


「それはあんたの耳がおかしいんじゃないの」


 黙ってろ。黙ってろ。そう言われた。もしかして、これがみんなの立てた作戦なのか?


「ではあなたたちは目がおかしいようですね。周りの状況を見て分かりませんか?」


「この! 何だしその口の利き方!」


「ねぇ、あなたたちって別のクラスよね? それなのに用もなく他クラスの教室に入ることはしないほうがいいと思うんだけど」


「よっぽどの用なんだよ。たかが友達風情で出しゃばるんじゃねぇよ」


「出しゃばる? じゃあ私からも言わせてもらうけどあなたたちは友達でも何でもないでしょ? そう、ただの他人よ」


「はぁ? 足使えねぇくせにいきがるなよなぁ!」


 止めるべきなのだろう。でも手が出ない。そんな中一人がアオにつかみかかった。


「そう、そうやって手を出すの。力によって解決できるとか思っているだろうけどここでもそれをするの。そんなことしたらあなたたちの負けなんじゃない?」


「るせぇよ。調子乗んなよ!」


「調子乗っているのはあなたたちです。あなたたちがさーちゃんの周りにいるせいでこちらもいろいろと支障をきたしています。なにも二度と話しかけるなとは言っていません。ただ、妨害はしないでください」


「チビのくせに生意気言いやがって! 私の気も知らないで!」


「そんなの知りませんよ。ただこの場で一番気を遣うべき相手はさーちゃんだと思いますけど」


 私? 私なのか?


「ねぇ本田さん。私たちって友達だよね、ね?」


 どうすればいいのだろうか。返事するべきなのか。でも光ちゃんに言われたこともある。どっちを優先すべきか。


「ねぇ、返事してよ・・・。ねぇ、ねぇ!」


 体を揺すられるが私は黙り続ける。そして目も合わせない。これが正しいのかはわからない。でも私は信じる相手の言うことを聞くことにした。


「おいお前ら、何してんだ。喧嘩か? たく、勘弁してくれよなぁ。せっかく昼飯食べようと思ってたのによぉ」


 早川先生が来た。でもそれだけじゃない。廊下の少し離れたところに慎ちゃんもいた。慎ちゃんは私の方を向いて頷いた。え? どういうことだ?


「喧嘩じゃないです。こいつらが私たちの話の邪魔をしてきたんです。大事な話だったのに」


「大事な話ですか。ではクラスの皆さんに聞きます。本田さんは今日一言でもこの人たちとお話をしましたか?」


 隙間から見てみたがクラスのみんなが全員首を横に振った。


「はぁ? お前らグルかよ! 嵌めやがったな!」


「ちょーっと来てもらおうか。6人全員だ」


 早川先生はそう言うと私以外の6人を連れて行った。その中にはひなっちやアオもいた。わからなくなってきた。何で私は連れていかれないんだ? 何で早川先生があんなタイミングで来たんだ? そもそもひなっちとアオは何であんなに怒ったんだ? 確かに昨日のことがあったからというのもある。でもだとすると慎ちゃんとクラスのみんなのさっきの反応は?


「本田さん。大丈夫?」


 最初に話しかけてきたのは学級委員の人だ。


「ああ」


「怖くなかった?」「ダイジョブか?」「ごめんね。本田さん」


 それを皮切りにクラスのみんなが私のところに来る。一様に言っているのは私を気遣う声と謝る声だ。


「本当は俺らが言うべきだったんだけど全然聞いてくれないからどうしようかと思ってたんだ。でも、更科さんと日向さんが俺たちに言ってくれたんだ。本田さんの事、だから何とかしなきゃって思ってな」


「本田さん。私たちがいるからね」


 ひなっちとアオが言った? どういうこと? 状況が飲み込めない。これはただの喧嘩じゃないのか? もしかして


「本田。お前も来てもらえるか?」


 早川先生だ。今度は一人。そう言われたから教室を出ようとすると


「ガツンと言ってやれ!」


 学級委員の人が拳を前に出して私に言ってきた。他の人も頷いたり私に笑顔を向けたりしてきている。

 廊下を歩いているとき


「なぁ本田。お前の姉二人が有名人ってことは知ってた。でもな、それが理由でお前が不利益を被るならそれは学校として許せない。学校は全生徒を平等に扱うってのがあれだからな。だから間違ったやつにはしっかり道を正すよう怒る。そのためにもちゃんと協力してくれよな」


「・・・はい」


 怒られるのかと思ったが違った。そうして連れられて行ったのは会議室。生徒指導室もあるが人数が多いからだろう。より広い教室で行うことになったようだ。その会議室には先に行った6人とそれ以外に私の担任の先生と学年主任さらには生徒会長、風紀委員長がいた。

 全員が席についたところで


「はいじゃあ話し合いといこうか。まぁ俺たちとしちゃせっかくの貴重な昼休みをつぶされたんだ。穏便にかつ迅速に解決してほしいんだけどなぁ。てなわけでよろしく。殴り合いにならねぇように生徒指導の俺以外にもいろいろ来てもらったからな。まぁここにいる人は・・・陪審員とでも思ってくれ」


 これはこんなに大事だったのか? 何か誇張されている気がしてならない。席は私の周りにいた4人とひなっち、アオが対面で座って私の両サイドに生徒会長と風紀委員長、その対面に早川先生と担任、主任がいる。


「ではお互いの意見を言っていきましょー! ここからの進行は私、佐倉会長が務めまーす。よろしくー! こほん、ではまずそちらから意見を聞きましょー! どぞ!」


 最初に指さされたのは私の周りにいた人たちだ。会長のテンションがおかしい気がするが・・・


「私たちはただ本田さんとお話していただけです。それなのにこいつらが邪魔してきたんです」


 違う。話はしていなかった。ただ一方的にしゃべっていただけだ。


「その話の中身は? 当然他クラスの教室に入るほどの事ってことはよほどのことだったのだろ?」


 風紀委員長が質問してくる。その質問は鋭いものでまさにその通りという感じだ。


「それは・・・ぷ、プライベートなことなので言えません」


「ほう、確かにプライベートなことなら言えないな。だったら教室ではなくもっと人気の無いところで話すべきなのでは?」


「それは・・・えっと・・・雨、雨が降っていて濡れるので」


「確かに、うちの高校は吹き抜けだから風が吹いて来ようものなら雨が吹き込んで濡れることもある。では今日に限らず数日、しかも10分間の休み時間に至るまで話していたのはなぜだ。移動教室もあるだろう。重要な話を何回もしていたのか?」


「は・・・はい。そうです」


 問われている方は全員目が泳いでいる。私がちらっと見ただけでもわかるくらいに。対してひなっちとアオは真っすぐ相手を見つめていた。


「ではこちら側に移ろう。ここ数日同じ状態だったのだろう。なぜ今日言ったんだ? もっと早くに言うべきだったのではないか?」


 今度はひなっちとアオが質問されている。でもその目は真っすぐ風紀委員長の方を向いていた。


「はい。確かにそうだったかもしれません。でも確証が得られませんでした。もし雛たちが大事な話をしている最中に割って入ってしまったら皆さんに迷惑をかけてしまいますから」


「確かにそうだな。では今日声をあげるに至った確証というのは何だ? もちろん、それをするに至ったものがあるのだろうな」


「はい。それは私から、確証はここにあります」


 そう言ってアオが出したのはスマホだった。そのスマホから再生されたのは昨日彼女らと話した内容だった。


“ねぇ本田さん。今日うちに行っていいでしょ? ね? 私たちあの二人に会いたいから”


“それは・・・”


“はい決まりー! じゃあヨロー! めっちゃ楽しみ!”


“やばっ! あの二人の家に行けるとか! みんなに自慢しよ!”


“約束だからね。破っちゃダメだよ”


“あ・・・ああ。わかった”


 あの会話が完全に録音されていた。


「ちょっ! ねぇ! それ盗聴じゃない⁉ こんなことしていいと思ってるの⁉」


「先生! こいつら盗聴してますよ! 怒ってください!」


「まぁ落ち着け。それに、今は風紀委員長とあの二人のターンだ」


「くっ・・・」


 一度立った彼女らは早川先生によってふたたび座らされた。


「ふむ、盗聴という点は置いておこう。だがこれだけではまだ確証と呼ぶには証拠不足だと思うが?」


「はい、そうですね。そこでもう一つ。お話したいことがあります。いいですか?」


「・・・いいだろう」


 そうして話されたのは昨日光ちゃんの家であったことだった。話の他にも昨日の会話を録音したものも流されていた。


「嘘でしょ・・・。何で・・・」


 彼女らはうろたえていた。もう勝ち目がないことを確信したのか。全員が俯いている。


「なるほど、その録音はいつ録られたものだ?」


「昨日の放課後です。スマホの日時は変えようがないので間違いはありません」


「ふむ・・・。それは、言わせたのではないのだな?」


「それについては雛たちに聞くよりもさーちゃん本人に聞いたほうがいいと思います」


 そして話は私に振られる。彼女らは涙目になっている人もいればずっと下を向いている人もいた。対してひなっち、アオの方を向くと小さく頷いていた。


「では本田さんに聞こう。今の話、すべて事実か?」


 どう答えたらいいのだろう。ここで頷くか首を横に振るか。どっちかをするとどっちかを敵に回すことになる。裏切りになる。そんなの・・・そんなのは嫌だ。だから


「はい、事実です」


 頷く方を選んだ。そうしたらひなっちとアオは私に微笑みかけてくれた。それがうれしかった。


「私たちは・・・ただ・・・」


「ふざけるなよ! お前らだって私たちと同じだろうが! どうせSAKU-KAYO目当てで近づいたんだろ!」


「いいえ違います。雛たちはさーちゃんのお姉さんがSAKU-KAYOであるということを知るより前から親友でした。そしてそれを知ってからも変わりません」


「嘘つくなよ。そうやって私たちを悪者みたいに言って貶めようとしてるんだろ! あーそう、もういい。もうファンなんかやめてやるよ。本田さん、悪いのは私じゃないからね。こいつらだから」


 他の三人が何も言わない中一人が逆上してひなっちとアオに言葉をぶつける。


「そうですか。あなたの思いはそんなにも薄っぺらいものだったのですか」


「んだと⁉ この・・・」


「ストーップ! はいみんな一回落ち着きましょー。深呼吸、すー、はぁー」


 生徒会長が間に入って止める。でもこれまでの言い方からして一触即発な状態は変わらない。


「では先生方からも意見を聞きましょうか」


 今度は先生の方に矛先が行った。


「はぁ、私は2回注意しましたよ。それでも守らなかったんだよね」


 そうだ、担任の言う通り先生は2回注意していた。でも聞かなかった。こうなると悪いのは全面的に彼女らになる。でも・・・


「じゃあなにか? こいつらが悪いってことで片づけていいのか?」


 そうだ。早川先生の言う通りこれはそう言う問題じゃない。


「じゃあ早川さんはどうしろと」


「俺か・・・俺なぁ・・・。まぁ和解してくれさえすればなんでもいいわな」


「ではその和解案を提示してもらえますか?」


 風紀委員長が言うように和解案、それがあるのならばぜひやりたい。解決するのだったら。


「まずはお互いの要求を聞こうか。まずはこっちから」


 そう言って促されたのは彼女らの方だ。いや、彼女らとは言ったが1人プラス3人といった感じだ。


「私たちは邪魔しないこと、あと謝罪を求めます。そもそも勝手に話に入ってきたこいつらが悪いんだし」


「そうか。それに対してこっちは?」


「雛たちはルールの順守およびさーちゃんへの謝罪を求めます」


 どちらからも謝罪という言葉が出てきた。でも相手が違う。彼女らはひなっちとアオが自分たちに謝罪すること。ひなっちとアオは彼女らが私に謝ることを求めている。


「そんじゃ本田は?」


 私? 私の求めることは一貫している。


「私は・・・、これまでと変わらない生活をしたいです。確かに私はSAKU-KAYOの妹です。でも私はそれ以前に本田咲彩です。なので、みんなには本田咲彩として接してほしいです。私、見ず知らずの人に囲まれるのは苦手なので」


「そっか。他には? 言いたいことがあるなら言っていいんだぞ」


 早川先生に促された。もしかしたら早川先生は私の悩みを知っているのかもしれない。こうなったら


「はい。さっき言ったこと、なにもSAKU-KAYOについて全く触れるなというわけではありません。ほどほどにしてほしいです。ここ最近、私が明かしたのもあると思いますが、行きすぎです。今までの・・・親友と何気ない話をする日常が欲しいです。それと・・・もうやめにしましょう。これ以上喧嘩をしてほしくないです。どっちにもなんのメリットもないじゃないですか。だから・・・手打ちにしましょう」


「だそうだが、まぁここは本田の意見が最優先されるわな」


「私は・・・私は・・・」


 今までずっと黙っていた一人が声をあげた。


「ただSAKU-KAYOのファンでいたかったんです! だから本田さんがSAKU-KAYOの妹さんということを聞いてすごく驚きました。だから本田さんに少しでも近づいてSAKU-KAYOの二人とお会いしたいという思いがありました。でも、私の独りよがりでみんなを、何より本田さんを苦しませてしまっていたことに気づきませんでした。ごめんなさい!」


「ごめんなさい!」


 その一人に続いて二人も頭を下げる。顔は見えなかったが涙が零れていること、そして体が震えていることが分かった。


「独りよがり・・・そっか、私は、独り占めしたかっただけなのか」


 最後まで言っていた人も上を向いてそう言う。


「私にとってもSAKU-KAYOは希望でした。心の支えでした。でもおかしいですよね。その希望に執着して挙句本人を困らせるなんて。私、やっぱりファンやめます。ファンでいる資格なんかありませんから」


 違う。そういうことじゃない。何だろう。よくわからないがとにかく違う。これは和解ではない。


「私も言いすぎたかもしれないです。独占欲・・・私にもあったかもしれないです。だからこれからは・・・自重します」


「雛もさーちゃんを助けたいという思いはありましたがそれでも言い過ぎたのはあると思います。すみませんでした」


 アオとひなっちも謝っている。違う。これじゃ誰も救われない。


「ふむ、双方謝罪ということでこれは決着、でいいのですか?」


 風紀委員長が終わらせようとする。違う終わってほしく———


「ダメだよー! これじゃ誰もいい気分にならないでしょー! ふふーん、私から一つ提案! いいかなー?」


「なんです? 会長」


「反省してるんだしー、この事件はなかったということでけっちゃーく! じゃダメ?」


「ダメだ。これと同じことが起こらないとは限らないだろ。だとしたらしっかり事件化して決着させる必要がある」


「まぁ待て待て。会長さんと風紀委員長さんの言いたいこともわかる。けどな、お前らの意見よりも当事者の意見の方が尊重されるってもんじゃねぇのか? 何より、本田のな」


 早川先生にそう言われて指さされる。私は・・・


「私は会長の言う通り良い気分? で終わってほしいです。でも風紀委員長の言う通り同じことが起こってほしくもないです。だから・・・、皆さんにSAKU-KAYOの直筆サインをあげます。だから、これで収めてくれませんか?」


 物をあげて解決なんてやり方としては絶対によくないと思う。だが良くない状態が今後も続くことはもっとよくない。


「これからもSAKU-KAYOのことなら、多少は話す。でもずっといるわけじゃないからわからないことも多い。何より、私の交友関係に水を差すようなことはしてほしくない。大事だから。すぅー、はぁー」


 一度大きく深呼吸してこう言う。


「友達になろう。そうすれば分け隔てなく話せるし」


 多分これが一番よかったのだと思う。だって誰も悪い思いはしないと思うから。


「でも・・・だって・・・」


「水に流せとは言わない。そうそう消えることでもないし。でもこれから友達になって帳消しになればそれでいいと思っている。だから」


「ちょっ・・・お人好し過ぎるでしょ・・・」


 確かに私はお人好しだな。全く誰の性格が移ったのだか。彼女ら4人、そしてひなっちやアオも私の伸ばした手を取ってくれて、この事件は決着した。


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 話し合いは昼休みいっぱい続いたようだ。一条が廊下をちょくちょく覗いて「まだ帰ってきてない・・・」って言ってたからわかる。まぁそんな気にすることでもないだろ。


 5時間目が終わった後、日向、更科、咲彩がこの教室に来た。


「あ! どうだった?」


「その・・・ありがとう」


「じゃあ解決ってことでいいのかな?」


「はい。円満に解決しました」


 何か咲彩が恥ずかしがってそうな感じがするけど解決したならいいや。後で話し合いの中身を聞こう。ついでに俺たちの立てた作戦もうまくいったか検証する必要がある。


 7時間目、完全に忘れていたが文化祭のスローガンを決めなければならなかった。進行は慎に全任せしよ。

 冒頭、咲彩のことが早川先生から話された。内容はこうだ。『咲彩はSAKU-KAYOの妹ではあるがSAKU-KAYOの妹としてではなく本田咲彩として接してほしい』。俺たちの想定通りになった。ということはうまくいったな。くれぐれも学校全員にこの内容を理解してほしい。頭悪いから知らんとかはなしだからな。

 ということでスローガンの話に戻る。俺たちのもとに集められた案は4人が考えた案を含めて全部で10。この中からクラスの案を一つに絞ることになる。あれ? もっと少ないと思ったが、皆さんしてやる気出しすぎじゃね? だって文化祭夏休み明けだよ。

 慎が進行、渡が板書、一条が渡との中継役をしている。じゃあ俺はというと椅子で座ってるだけ。いやこれサボってるわけじゃないから。役目がないだけだから。だってこれ以外にやることあるか? ただ突っ立ってるだけじゃん。そんなことなら座ってた方がいい。

 進行していく中で先生の案、一条の案は早々につぶされ・・・何かかわいそう。聞いただけで誰の案かわかるしな・・・あれ? ちょっと待て・・・。渡の案が消され・・・他の案も消され・・・慎の案も消され、俺の案だけが残った。あれ? 自信あったとはいえ本当に残っちゃったの? 本当にこれでいいの? 俺の案に対して誰も反対していなそうだし結果、『飽き《秋》なんて来させない! 俺たちの本気マジ明フェスをこの目に見よ!!』に決まってしまった。ヤバイ、何か罪悪感がある。これ渡との合作なんだけどなぁ。拍手を俺に向けられても困る。・・・何か、すんません。


 それだけで終わりということもなく放課後、先週言っていたスローガンを絞るため、そして係を決めるための実行委員会が開かれた。各クラスで決められた案が並べられていくがその中で泣く泣くカットされるものもあった。例えば去年とほぼ変わらないやつとかこれスローガンとしてどうかとかいうやつだ。

 まぁそれはいい。ここで決める方法もやっぱり投票。各クラス4人×10クラス×3学年+生徒会、ここだけでも相当な票数あるな。もうここで決めちゃっていいんじゃねぇの? だって国会で法律決めるのとかもこんな感じじゃん。

 誰が案を出したかは伏せられているが何だろう。自分の案が残っているだけに晒されてる感がある。そして投票でもなぜか知らんが俺の案がトップ通過になった。いや、俺と渡の案だ。うーん・・・本当にこれでいいの? あーでも俺あの二人から意見もらってるから逆にここまで残らないとおかしいか。いや、そもそもそんな機会があったって時点でおかしいんだが。

 で、残った三つの案は俺の『飽き《秋》なんて来させない! 俺たちの本気マジ明フェスをこの目に見よ!!』、『夏休み延長戦! まだまだ続くよ私たちの一度きりのサマーメモリー!!』、『―思― 思いをアゲよう! 思いを繋げよう! 思いを分かち合おう! そして永遠の思い出に!』。・・・ちょっと言っていいか。他二つ低レベルすぎじゃね? よく残ったな。何だよサマーメモリーって。英語にする意味あったか? 三つ目のやつは安直すぎねぇか? 中学生の文化祭ならまだしも。ここで俺は悟った。これはもしかしたら学校を巻き込んだ出来レースだったのかもしれない。

 そしてもう一つ、係についてだが俺は生徒会補佐係という訳の分からない役になったのでこの話し合いは完全にスルー。ちなみに他の人の配役についてだが一条は記録係、渡は会計係、慎は大道具係になったようだ。

 さーて、帰りますかーと思ったら


「あー! 二人ともー! ちょっと待ってくれるー?」


「何です? 俺生徒会じゃないですけど」


 たんぽぽ先輩に止められた。しかも二人ってことは慎もか?


「悪いなココ、わたりん。先に帰ってもらえるか?」


「まさかまた悪いことしたの?」


「おい、俺を前科持ちみたいな言い方すんな。前科も何もねぇよ」


 そんなに俺悪いことしたように見えますかね? それと慎のやつ何か知ってそうだな。あと更科もどうせいるんだろ。裏で何企んでるんだ?


 そんなこんなで一条と渡の二人と別れると俺たちは生徒会室に連れていかれた。


「何で生徒会室なんですか? 慎や更科が行くならまだしも。俺全く関係ないですよ」


「何言ってんだよ。生徒会補佐係だろ?」


「そうそう、任命されちゃったからにはしっかりやってもらわないと」


「あ? お前ら絶対なんか知ってるな」


「テキトーなところに座っていいよー」


 たんぽぽ先輩にそう言われ座ると


「はいそれでは! 第一回、文化祭秘密実行委員会を始めまーす!」


 何かよくわからない会が始まった。秘密って言っちゃってるし。


「それではメンバーを紹介するよー。まずはー、私! 生徒会長の佐倉でーす!」


 俺のためにやっているのだろう。たんぽぽ先輩が一人一人メンバーを紹介していく。


「次はー、実行委員長のしのちゃんでーす!」


「ちゃんと紹介してくれよ。東雲不知火だ。よろしく」


 まぁ秘密がついているとはいえ文化祭実行委員会だからいるだろうな。それにしてもあだ名と本名の威厳の落差がすごいな。


「その次はー、私の書記! アオちゃーん!」


「先輩、私は生徒会の書記であって先輩専属の書記じゃないですよ」


 そうだよ。何ちゃっかり自分のものにしようとしてるんだよ。会長だからってそれは許されないぞ。ていうかアオちゃんになってる。


「お次はー、一番の庶務! 慎ちゃーん!」


「会長、いくらなんでもその肩書はしょぼいのでやめてください」


 たんぽぽ先輩、なかなかいいセンスしてる。思わず噴いてしまった。一番の庶務って言い方変えれば一番の雑用だろ? 俺もこれから慎の名前呼ぶ前にその肩書も言おうかな。


「そしてー、初登場! 光ちゃーん!」


「全然初じゃないです。もう何回も会ってます」


 やっぱりこの先輩とのかかわり方わからないわ。前も思ったが完全に別の世界を生きてそうな人だわ。


「そしてー、生徒会を裏で牛耳るー、きさら先生!」


「牛耳るってたぶん初めて聞きましたよ」


 じゃっじゃーん! みたいなノリで言っているが先生に対してなかなかな物言いだな。で、それを言われた先生は


「はーい! 裏で牛耳っているきさら先生でーすってちゃうわ!」


 すごい良いノリ突っ込み。机までバンッて叩いてるし。絶対関西人だな。

 ここできさら先生についてちょっと説明しよう。本名、小林如月こばやしきさら先生。たんぽぽ先輩や東雲先輩のクラス担任で生徒会の管理をしている先生だとか。そしてやっぱり関西人だった。でもこっちに来て長いから標準語と大阪弁が混じり、そんでもって関西人のノリというキャラの濃い先生だ。ちなみに女の先生な。

 以上5人。メンツにすごい違和感を感じる。俺だけ場違いじゃね?


「それでは! えーっと、まず! この委員会をやる目的を説明しまーす! はいしのちゃん!」


「うちかい!」


「お? ええよーそのツッコミ」


 この3人仲良さそう。やっぱり同じクラスなだけある。もう先生と生徒って垣根がないな。


「3人にはある重要な任務を任せたいと思っている。これが成功するか否かによって、文化祭の規模が大きく変わってくる」


「はい」


「はい光ちゃん!」


「そんなに重要な任務をここにいる二人は置いといて、俺なんかがやっていいんですか?」


「だいじょぶだいじょぶ! そ・れ・に、今回の任務は光ちゃんが一番重要な任務を担当するんだからねー」


「お断りします」


 何でそんな重要なことを俺に任せるんだよ。内容なんか聞きたくもない。一抜けしたい。責任問題になるから。


「まぁまぁ光ちゃん、話だけでもな。それに補佐係なんだから」


「覚えてろよ」


 慎のやつ・・・。後で絶対何かおごらせよう。


 ということで聞かされた話。あー、これは秘密にしといたほうがいいな。ということでカット。ただ言えるのは文化祭の事、そして重要なこと、やっぱり俺がキーだということ。何で俺が・・・。こんなことなら言わなければよかった。


 どれくらい話し合ったのだろうか。結構長かった気がするんだが。解散して慎は部活に行った。そして俺と更科は家路に急ぐ。ここで言う家路は俺の家だ。なぜか、今さっき更科は電話でアオママにお迎えをお願いしたのだがそのアオママは俺の家に来ると言ったのでこんなことになった。俺の家って停留所じゃないんだけど・・・。

 雨は上がっていたので傘は差さずに帰ることが出来る。でも、水溜まりはあるので俺はさっきから踏みまくっている。更科の車いすを押しているというのもあって無理に避けることもできない。靴の中気持ち悪い。


「まさか本当にあんなことになるなんて」


「俺は知らねぇぞ。どうなっても」


 今年の文化祭は荒れそうだ。色んな意味で。でも俺は実行委員長でもなければ生徒会でもない。責任を擦り付けられるいわれはない。生徒会補佐係になったからと言ってイコール生徒会じゃないからな。


「・・・ねぇ」


「あ?」


「・・・私のことは、ちゃんと呼んでくれないの?」


「お前って言い方が悪かったか。じゃあ更科に改めるわ」


「そうだけど・・・そうじゃない」


「何が言いてぇんだよ」


「私のことも、ちゃんと下の名前で呼んでよ」


 俺が本田を咲彩と呼んでいることが気に障ったのか。いやでもなぁ、咲彩って呼んでるのはあの二人と区別をつけるためだしなぁ。更科を下の名前で呼ぶ理由がない。


「何でだよ」


 まっとうな理由があれば呼んでやってもいい。あればの話だが。


「私たちって、親友でしょ。それに、私だって光ちゃんって呼んでるんだから。光ちゃんも呼んでくれたっていいじゃん」


 それを出されると反論できない。しかもこれって更科に限った話じゃないよな。他の人にも当てはまってくる。くそ・・・どうしたものか。下の名前で呼ぶのってそこそこ恥ずかしいんだぞ。だから今までずっと苗字呼びしてたのに。


「・・・はぁ、わかった。じゃあ葵、でいいか?」


「・・・うん、でも溜め息は余計」


 これにより咲彩に続いて更科もこれからは葵と呼ぶことになりました。あれ? でも思った。あだ名あるんだからあだ名でよくね? 咲彩も。これやらかしたわ。もう後戻りできねぇ。

 なんかその後は会話が続かずにそのまま家までたどり着いてしまった。もうこれは慣れだ。何度も言っていればいつか慣れる。そう信じたい。


「おー! 二人ともおかえりー!」


 あれ? 本来聞こえるはずのない声がする。


「ココただいまー!」


「何でいるんだよ。うちの鍵どうやってこじ開けたんだよ」


「あれぇ光ちゃん。私金曜日休みってこと忘れてない?」


 そうだった。今日は金曜日だった。せっかく家でゆっくりできると思ったら・・・。一気に肩を落とした。頭も抱えた。ため息もついた。最大限のがっかりポーズをしてやった。

 家にはやはりいつものメンバー、一条、渡、日向、柊、尾鷲がいた。何か柊と尾鷲もいつものメンバー入りしたな。


「帰ってきたか」


 またしても聞こえるはずのない声がした。


「あれ? さーちゃん? 部活は?」


「最近のことがあったから休めって言われてな。心労回復も大事だ、だそうだ」


「ここにいるメンツで心労回復できるか? 悪化すると思うんだが」


「確かに。光ちゃんの言葉の圧とかなのうるささは心を抉りますからね」


「うるさいのは雛でしょ!」


「お前も人のこと言えねぇだろ。これで回復すんのは絶賛お笑い中の尾鷲くらいだぞ」


「それともう一つ。今日の一件について詳しく聞きたい」


 本音はそっちか。だったらちゃんと説明してやりますかね。咲彩自身もわからないままだとあれだろうし。それに俺たちもどうなったか詳しいこと聞いてないし。とりあえず座るか。


「ひなっち説明してなかったの?」


「はい。お二人が帰ってくるまで待とうと思いまして。ですが・・・、何でこんなに長いんですか? 何やらかしたんですか」


「おい、やらかした前提で話をするな」


「そうそう、やらかすのは光ちゃんで私は何もしてないから」


「おい葵、誤解を生むだろ。変なこと言うな。文実で遅くなったんだよ。訳の分からねぇ係の仕事をしてきたんだ」


「あおい? あ! アオか」


 あ、墓穴掘った。いやでもこれは俺のせいじゃない。葵が呼べって言ったから呼んでるまでだ。


「へぇ、なるほど、そういうことですか。これは奈々ちゃんに報告ですね」


「ちょっと待て! とんでもねぇ誤解だ。こいつが呼んでほしいって言ったから呼んだまでだ。ああわかった、じゃあ他のやつも名前呼びすりゃいいんだろ? そうだろ?」


 このままだと誤解がさらに広がることになるので必死に止める。葵、お前も止めろよ。それに、七瀬に報告したって別にどうということはないと思うぞ。


「ダメ! 私はあだ名で!」


 一条のやついちいち変な注文つけてくるな。まぁ一条に関してはココで定着しちゃってる感じがあるからいいか。


「わたしも!」


 渡もわたりんって言い方そんなに変わらないからいいか。


「では雛はひなっち・・・やっぱり日向でいいです」


 あ、これはあれだな。雛ってついてるから自分が小さい事と照らし合わせて落ち込んだパターンだな。こうなったらあれだな。いじるっていう意味で雛って呼ぶのもありだな。そうしよ。


「名前がそれだとかわいそうね。私は佳那でいいわよ!」


 事あるごとに対抗してくるな。まぁ佳那でいいか。かなたんって呼ぶよりはマシだ。


「私は好きに呼んでもらっていい」


 尾鷲、それ一番困るやつ。尾鷲、芙蘭、ふららん・・・なんか尾鷲が一番しっくりくるな。


「はぁー。じゃあ今この時から一条はココ、渡はわたりん、日向は雛、柊は佳那、尾鷲はそのままってことにするからな。ついでに咲彩と葵もこのままで」


 俺がこう呼ぶことになったのを喜んでる人もいればなんか冷たい視線をぶつける人もいる。日向だろ? 絶対日向だろ? いや、もう雛だったな。そんなこんなでこれからこう呼ぶことになったのでお間違えの無いように。ちなみにここにいない人については今まで通りということで。あれ? 何でこんな話になったんだっけ? ああそうだ。


「ていうかどんだけ脱線してんだよ。話を戻せ話を」


「そうでした。では話しますか」


「だね」


 咲彩は最初からわかっていないのでそこから説明していく。さて、じゃあネタバラシですかね。


 あの取り巻きが付き始めてからどうするか考えて実行した作戦。その名も『取り巻きを完膚なきまでにぶっつぶす! 私たちこそが真の取り巻きだ作戦!』。ツッコミどころ満載な作戦名だがこれ考えたの雛と葵な。うぅ、この名前の呼び方めっちゃ違和感がある。

 おととい考えて昨日は根回しをして今日実行という流れだった。ではその根回しについて説明しよう。まず4チームに分かれて行動した。

 まずは慎、尾鷲チーム。この二人はたんぽぽ先輩と風紀委員長を呼ぶために奔走した。たんぽぽ先輩は簡単に承諾してくれたが風紀委員長は納得してくれるまで時間がかかった。こんなこと何の意味があるとかどうしてそこまでするとかとことん質問攻めにあったらしい。まぁそれに関しては慎と尾鷲、あとはたんぽぽ先輩が何とかしてくれたので呼ぶことが出来た。

 次に俺、ココ、わたりんチーム。先生に言いました。早川先生が生活指導の先生じゃないかってことは葵のことがあっておおよそわかっていたので先生に協力をお願いした。普通だったら先生突撃ー! になるのだが早川先生は俺たちに解決してもらうならそのほうがいいと言って俺たちの言う通りに動いてくれた。その早川先生から7組担任、学年主任に話が行ってあんな感じになった。そう、あの時タイミングよく早川先生が来たのは俺たちが口裏合わせていたからだ。

 その次は雛、葵チーム。この二人は徹底的に観察をした。そして結構当日、早めに来てクラスのみんなにも協力を頼んだ。その中身はこうだ。私たちの言うことに賛成してほしい、それと咲彩を慰めてほしい。これはちゃんと果たされたな。そしてこの二人はあの取り巻きに口出しするという重要な役も任せていた。何言ったか後々聞いたが・・・まぁ、それは後で。

 そして佐藤、佳那チーム。この二人は証拠集めに行った。昨日の昼、咲彩に教室を出るよう頼んだのは雛や葵だが、出て行った後、追跡してあの録音を残したのはこの二人だ。決定的な証拠の一つにはなったと思う。まぁあの二人とてこうはなってほしくはなかったのだろうが。

 その4チームで行動して今日を迎えた。その内容についてもその場にいた雛や葵から聞いたが・・・


「なぁ、今更なんだがやりすぎじゃねぇか?」


「本当に今更ですね。さすがに雛もやりすぎてしまったとは思ってます。でも向こうもやりすぎたので相殺、トントンです」


 雛が話したことといい、葵が話したことといい、完全に喧嘩腰になってるよな? よく手が出なかったな。


「さーちゃん、言っておくけどこの作戦考えたのは光ちゃんとひなっちだからね」


「おい、俺だけに擦り付けるな。お前らも賛同したんだから同罪だろ」


「そうです。皆さんも加担してますからね」


 わざわざ言わなくてもいいのに。ていうかメインは雛と葵なんだから。俺はあくまで立案したのと舞台を整えただけだ。


「で、会議はどう決着したんだ? 喧嘩別れか?」


「喧嘩別れしてたらここにいませんよ。しっかり円満に解決しました」


 俺の立てたシナリオだと徹底的に追及して二度と手出しさせないようにするって感じだったけどな。


「どっちも仲直りして友達になるってことになった」


「は?」


 咲彩が言ってくれたが友達? ついさっきまで喧嘩してた人と? 何でそうなるの?


「ひなっちとアオが言ってくれたのはありがたかったのだが、それで相手が泣き出したり逆上したりしてしまってな。さすがにその状態で解決しては後味が悪い。だから友達になった」


 なるほどね、断片的にしか話した中身を聞いていなかったが何言ったんだよ。相手が泣き出したり逆上したりするって。ココ、わたりん、そこは拍手するところじゃないと思うぞ。


「結構危ない橋渡ったのねぇ。まぁそれにしても、解決して何よりぃ」


 本当に危ない橋だったな。もうちょっとでこっちが悪いってことにもなってたし手が出てたかもしれない。でもこの母親の手だけは借りたくなかったからまぁいいだろう。


「みんな、ありがとう」


 咲彩がこう言った。みんないろいろな反応で受け取っているが、とにかく解決してよかった。はぁ、なんか大きなことが片付いた気がする。でもまだまだいっぱい俺の周りには問題があるんだよなぁ。まぁ今はこの気持ちをみんなと分かち合うか。あ、そうだ。七瀬も気にしているだろうから明日電話でもするか。

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