中間テスト - 49日目 -

 頭痛い。勉強ってこんなに辛いの? 土日も勉強漬けだったからほんとに辛い。勉強を楽しいって言っている人の気が知れない。


 学校に着いても勉強勉強。しかもテスト範囲が早く終わった教科なんかはその時間が自習になる。普通に自習出来る人はいい。でも俺は出来ない。絶対に声を出さなければ勉強が出来ない。だからと言って声を出すとうるさいと言われるのはわかっている。みんなが黙々と勉強しているのに俺がそのペース? 歩調? を崩すわけにはいかない。だからこそこういうときに保健室に行きたい。あそこだったら声出しても平気だし。あれ? 保健室の使い方ってこれで合ってるよな?

 ということで今日の授業の内容はこうだ。

 一時間目、英語。土日でだいぶやったから聞き取れるようにはなってきた。試しに読み合わせをしてみるかと俺から持ち掛けて渡としたけどさすがに無理でした。これは渡は悪くない。これもいつか普通に出来るようになったらいいな。

 二時間目、体育。憂さ晴らしの時間としか捉えていない。球技大会の後から体育の先生には条件付きで参加が認められている。やっぱり体を動かすっていいな。

 三時間目、数学。せっかく憂さ晴らししたのにそのあとこれって意味ないじゃん。俺のストレスが元に戻りました。

 四時間目、化学。土日に勉強したおかげか、だいぶわかるようになってきた。さすがに計算は厳しいが化学は思いの外暗記するものが多く俺でもどうにかなりそうだ。

 五時間目、古文。暗記科目二つ目。心情系はすっ飛ばしてとりあえず暗記に注力することにした。これでどれくらいいけるか。

 六時間目、芸術。気休めだ。最後にこれはリラックス出来るから俺にとってはプラスだ。

 感想、今週が始まってまだ一日しか経ってないのにすごく疲れた。一週間乗りきれるか?


× × ×


 家帰っての勉強会も土日で形が変わった。どうなったかというと俺と慎が左遷されました。俺と慎が常に喋り続けているので苦情が出た。出したのは日向、ズバッと言う日向の性格が出た。でもこればかりは反論も何も出来ない。逆によく今まで耐えられたものだと感心している。でも誤解しないでほしいのは、俺と慎は決して勉強の邪魔をしようとしてるわけではない。それをわかってか言いはしたけどあまり強い言い方ではなかった。


「矢島さん、瀬戸さん。しっかり勉強しているのはわかっていますが、頭こんがらがるので場所かやり方を変えてもらえませんか?」


 ん? 思い出してみると言い方強いな。まぁいつもよりはマシか。そんなわけで俺と慎は二階の俺の部屋で勉強することになった。


「お前は勉強大丈夫なのか?」


「心配すんなって。俺は光ちゃんと違って毎日ちゃんと勉強してるからな」


「マウントかよ」


「いや、俺が普通なんだけどな」


 自分の勉強もあるだろうに俺の勉強に付き合ってくれてる慎には感謝している。俺もう慎に何度感謝しただろうか?


「光ちゃんは地理と化学、あと英語が出来そうだからそれ中心に伸ばしていこう。数学と物理は・・・、とりあえずできる範囲でな」


「そうするわ。せめてもうちょっと前に俺もテスト受けるって言ってほしかったわ」


「お? 光ちゃん、テストに文句言わなくなったな」


「言いてぇよ。ああそうだよ、全部早川先生のせいだ。俺の点数が悪かったら早川先生のせいにしてやろ」


「だからってわざと悪くするなよ。勝負もあるんだからな」


「はぁ、一条に勝たなきゃなんないのか。いや絶対勝つ。一条には悪いが少なくともあいつより頭はいい自信がある」


「今のココが聞いたら何て言うか」


「聞いてねぇからセーフだ」


 勝負か。そういえばそんなのあったな。確か勝ったほうが負けた方におごるなり命令するなりだったか。俺が勝ったら一条に何命令しようか。反対に一条が勝ったら俺はどんな命令をされるのだろうか。いや、負けたときのことは考えないようにしよう。勝った時の命令をどうするか考えながら勉強しよ。邪念があるとか言わないでね。

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