(単発希望) 一盃口と「なろう系」

一盃口

第1話

https://kakuyomu.jp/works/16816452219280402791

なろう(系)小説談義:対話篇

作者 あじさい

の作品へのコメントです。作者の許可があり、ここにリンクを掲載しました。では、以下の文をお楽しみ下さい。


 興味深いものを読ませて頂きました。ありがとうございます。


 芸術論に繋がりそうな話題になりますね。以前、「〇〇」様のなろうを話題とした論説があったのですが、あの方は、明らかに質が低い作品が巷に溢れていることが問題と指摘されていました。半沢直樹も、ある種なろう系ではないか、という僕の質問に対しては、あれはまだ作品として完成されているが、なろう系には明らかに文章が破綻した劣悪品がある、と返答なさりました。

 あとは、なろう系による国家の破滅をテーマにした小説では、なろう系は一発逆転を狙って、人間は不断の努力をすべきであるという真理に逆らおうとしている、しかしその努力するべきと主張する人間は、既得権益構造による格差は許容できるもの、と社会的な格差に目を向けようとしなかった。という対立を風刺していました。


 自分としては、なろう系がオープンで大衆的なことは構わないでしょう。『盾の勇者の成り上がり』を小中の頃よく読んでいたのですが、まあちょうどいいものかな、と。ざまぁ系の一種になりますが、一連のざまぁが終わったあとも好きで読んでました。女事を書かないのがいいんですよね。

 なんというか、なろう系を語る時に、未知の異世界を見て想像力を膨らませること、原始世界には存在しない現代のテクノロジーを改めて解説すること、僕はなろう系のそこが好きなのですが、そこがいつも話題にならないことが少し残念です(あじさい様だけに向けた訳ではないですよ!)


 あと、僕は男なので、いかがわしい漫画を定期的に読むのですが、あれも一つのフィクションとしてありかなぁ、と思ったりするんですよね。(売名行為ですが、その葛藤は『漫画について』で語っています)その絵一つ一つの美を(なんか違う気もしますが)愉悦をもって鑑賞することは結構正しい美術鑑賞の一つなのではないか、とも思うわけです。こういうのはいかがわしい、こういうのはいかがわしくなくてつまらない、質が悪いと目を鍛える訳です。自分の無いものを空虚に求めることもありますが、時にその成り上がりのストーリー(常に成り上がりとも限らないですし)じゃなく、一枚の絵がいかに美しいかを見ているわけでして、むしろあんないかがわしいものを見ている時の方が真面目な芸術鑑賞をしているような気がします。


 また、純文学を読むことも、「オタクどもの遊び」ではないか、という反論は十分通用しますね。なろう系が自己嫌悪を起こしてまあ、あることないこと認めてしまったのではないか、とも思います。

 あと百年したら、なろう系という自分が今名付けるなら「新自然主義」文学はもしかしたらロシア文学よりも高尚な存在である、と言われる可能性もあるでしょう(知りませんが)。巷になろう系が溢れているから、歳をとって落ち着いた人々は、その流行を非難している可能性があります。そして、なろう系の読者が齢を積んだとき、ロシア文学がそこら中で流行したならば、「なんで今時の若者は意味の分からない本を読むんだ」と言うことだってあるかもしれない。

 僕は、無頼派くらいならば読めますし、好きですからある程度感受性を磨くことはできますが、『檸檬』は無理です。稚拙な感情を見せられて混乱したとしか言えません。あれは真の文学と言われているようですが、よく分かりません。


 詩をある程度見たので、感じたことなのですが、理解の世界を突破しようとする者も、真理のような美を分かりやすく語りかける人もいます。しかし、それのうちどちらかが正しいとは僕には言えません。

 芸術は、理解できるものの方が基本的に評価が集まりやすいですし、経済的価値も持ちますが、互いにのさばらせる、蔓延らせる、そうした他を拒まない多様性が大切なのかなと思います。



追記:冒頭見れば分かると思いますが、全文コピペです。45分も書いてたんです……

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