第一章:転生

1-1マジなの、ぅおいっ!


 えーと、私ってどうなったんだっけ?


 まだぼうっとする中、私の意識が覚醒した。

 そして重たい瞼を開くと見た事の無い部屋に寝かされていた。


 ここは何処だろう? 

 私は何を‥‥‥


 起き上がろうとしても起き上がれない。

 と、左手に何かがぶつかった感じがする。

 頭を動かそうとしても動かない?

 瞳だけそちらに向けると誰かが横に寝ている?



 なんなんだこの状況!?



 私はもう一度自分の体を確認するかのように動かす。


 ‥‥‥思うように動かない。


 えーと、私は榛名愛結葉 (はるなあゆは)女、十七歳になったばかりの高校二年生。

 確か学校に行く途中で小学生を助けて、そして駄女神に‥‥‥



 あ”あぁぁっ!!!!

 思い出したぁっ!!



 私、死んじゃって異世界転生とか言う小説なんかのお約束展開になっていたんだった!!


 いや、マジ勘弁してよ!

 本当にそんなベタな展開なの!?



 思わず騒いでいると口から出るのは赤ん坊の泣き声?

 そしてようやく気付く、自分がやっぱり赤ん坊に転生していると言う事を。


 どうしよう、こうなってくるとこの体が成長するまで何もできない!

 でも赤ん坊なのに意思だけそのままだと言う事はこれから‥‥‥



 ひょいっ!



 私は大きな力でいきなり抱きかかえられる。

 そして誰が見ても驚く美しい耳の長い金髪で瞳が深い緑色の女性に抱きかかえられる。



 うわっ!

 本当にエルフだ!!



 抱きかかえられて知らない言葉であやされるけど、この体は抱きかかえられあやされることによって不安や焦りが無くなっていく。

 多分この人は今の私の母親なのだろう。

 

 う~、こうなっては仕方ない。

 腑に落ちない事はいっぱいだけど、まずはあきらめてこの現実を受け入れるしかない。


 と、別の場所から泣き声がする。

 私を抱っこしていた女性は慌てて誰かに声を掛けている様だ。

 するとやはり超美形の男の人がやって来て私が寝かされていたベッドからその泣きじゃくっている物体を抱き上げる。


 そこには可愛らしい金髪で耳の長い赤ん坊がいた。



 ―― それじゃあ二人ともエルフの村に双子で転生させますわね。 ――



 そう言えばあの駄女神がそんな事を言っていたっけ?

 と言う事はあの子は私の双子で元あの小学生の男の子?


 う~、本当に異世界転生してしまうとは。



 きゅるるるぅぅ~



 少し落ち着いたらお腹が空いて来た。

 と、この体は勝手にまた泣き出した。


 するとこのエルフの女性は私をあやしたりおしめを確認したりしていたが最後にお腹が空いている事に気付いたようだ。

 そしておもむろにその胸を出す。



 あ、勝った!



 何故か最初にそう思ったけど彼女の胸にどんどんと顔が近づけられて行く。



 ちょっ!

 私にそんな趣味は無いぃっ!!



 慌てふためく私だったけど半ば強引に授乳させられる。

 いや、お腹は空いているけど女同士で恥ずかしい!!



 これから私って大きくなるまでこれを繰り返させられるのか‥‥‥



 誰だ異世界転生が楽しそうだなんて言った奴、出て来いヤァ!!



 

 羞恥プレイをさせられながら私はそう心の中で叫んでいたのだった。

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