第21話嫁取り騒動 ③

[葵side]


クリスが すまなそうに

「 すまない 私では アザミ様を 止めることは できなかった 」


「 私が 勝手に やったこと クリスは悪くない ! 茜の 活躍を見て 私も 暴れたかっただけだから おかげでスッキリした 」

薊が 悪びれもせずに 言った



まぁ 私も あの連中には 腹が立ってたから いいんだけどね



王子が 難しい顔を している


「 なぁ エクレアさん 彼奴ら このまま 大人しく引き下がると思うか ? 俺様には 今晩にも 仕返しに 来るようにおもうんだが ? 」



エクレアは 少し考えた後


「 はい 勇者様の 言うとおりかと 思います

騎士隊長の クラーク も 領主の マーベラスも しつこい(ひつこい)男達です

おそらく 近い内に 仕返しに来るのは 間違いないかと 思います それにしても なぜ 今晩だと 断言出来るのですか ? 」



「 多分 時間を おけば警戒される

そして まさか 今晩 襲うとは 思わないだろう。 だから 無警戒な 今晩が チャンスだと 考えるんじゃ ないか 」


なるほど 王子が いうのは わかる


私は ある『策』を 考えて エクレアに 協力するように 頼んだ。

後は 気になることを クリスに 聞いた

「 ねぇ クリス 王国の 財政は どうなっているの ? 私達が 貰った装備は 『ボロい』し 資金も 少なかったわ。

大方 あの愚王と その一族、そして阿保貴族達が、贅沢三昧を して 国の財政を食い潰しているんじゃないの ? 」


クリスは 大きく目を見開き

「 アオイ様には 隠し事は出来ないな………アオイ様の予想道理だ !

現在 王国の財政は『火の車』の状態だ

大幅な 増税を しようとしたが 我等の派閥貴族達が反対しているので 実行できないでいる …………まさか !」


「 そう そのまさかよ !十中八九 マーベラスの後ろに 王族が いる、場合に よっては 両方の領地を没収するつもりかもしれないわ」


「 いくら なんでも そこまでする訳が ……………」

絶句する クリスを 横目に 葵は考えていた






そして 真夜中 日にちが 変わろうかという時間

[クラークside]


昼間 恥をかかせられた俺達は 領主様から お叱りを受けて 直ぐに行動に出た


今晩 遅くに『スター ライト家』に 討ち入りする、四十七人の 騎士を引き連れ 屋敷の前に来た


「 いいか 目指すのは スター ライト家の 娘二人だ、他の者は 皆殺しにして かまわん !

これは 騎士を侮辱した者達への 敵討ちだ ! 皆の者 かかれぇー ! 」


俺の 号令の元 四十七人の騎士達が 屋敷に 雪崩れこんだ !


あらかじめ 屋敷の使用人を買収して 入り口の鍵を開けさせて おいたのだ !


この 知将 クラークの 手にかかれば これくらいの事朝飯前だ !


クッ クッ クッ 気付かずに寝入っているな、俺は ハンドサインで 合図をした


その途端 入って来た入口が 閉じられた

目を凝らすと 一人の男が 立っていた


周りに いきなり灯りがつき 俺達の姿が あらわになった


何故だぁ 何故バレた ? 直ぐに逃げなければ


「 俺様が 入口にいるかぎり ここからは逃がさない 」


あれは 昼間の 硬い男だ !


クッ しまった 罠にはまったか !



こうなったら 俺だけでも こいつらを囮にして 逃げてやる


そう おもった時 屋根の上から 声がした

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