第20話嫁取り騒動 ②

確かに 囲まれている


「 おい ! あんたが 隊長か ? あんたも騎士なら名前位 名乗ったらどうなんだ ? 」


王子が 怒りながら言った


「 貴様のような 平民に名乗る必要は ない !」

ドヤ顔で 言い切る隊長騎士


「 なら 貴方の事を 『ゴン 』と 呼ぶね

『名無しの ゴンベイ』から 取ったんだけど それでいいよね ! 」

茜が 挑発するように言うと


「 良いわけあるかぁ ! 俺の名前は

『 クラーク = ビックストーン』だ ! 」



「 クラークねぇ なら『クラちゃん』と 略しちゃうけど いいよね !」

茜が からかうように言った


「 良いわけあるかぁー ! さっさと その二人を渡すんだ ! 」

手を 伸ばすクラークに 対して


「 させるわけないだろう ! 」

王子が 立ちはだかった



「 そこを どけ 平民 ! 退かぬなら 力ずくで 退かせるぞ」

クラークが 怒りながら 怒鳴った


「 オマエには 出来ない !」


王子に 言われ 切れたクラークが 剣を 抜いた


「 なら 死ねぇー ! 」


クラークの 剣は 王子に当たった瞬間に砕け散った

「 なっ 馬鹿な ! 俺の聖剣『 アックスボンバー』が 砕け散るなんて ありえない………」

クラークが、唖然としていると


「 あれが 聖剣 ? この間の ミスリルの剣の方が固かったような気がするんだが ………」


「 アッハハハハハ 多分 偽物だったんじゃないの。いや~ みごとに 砕けたねぇ 」

茜が 笑って言った



「 クッ お前達 黙って見てないで この平民を殺せ!」


クラークの後ろにいた 六人の騎士が 一斉に抜剣して襲いかかってきた。


「 死ね ! 」「 くたばれ ! 」「 平民の分際がぁ !」

「くそガキがぁ ! 」「 死ねぇ !」

「 この剣 まだ ローンが 残っているのにぃー 」



王子に 当たった瞬間 みな砕け散った


「「「「「………………………」」」」」

「 俺の ローンがぁ~」


それぞれが ショックを 受けていた





[ クラークside]




「 はっ ! まだ 外には 仲間が いるんだった」

クラークは 外に向けて 怒鳴った



「 外で 待機している騎士達よ ! 今すぐ 全員集合せよ ! 」


しかし 何の反応もない


「 何をしているのだ !命令だ 集まれ ! 」




「 無駄 ! みんな オネンネしてる 」

店に いたはずの女が 静かに歩いてきた


「食後の 運動に丁度良かった 」

平然と言ってのける女の 背中越しに見ると 俺の部隊の騎士達が 全員 伸びていた。


もしかして 俺達は とんでもない奴らを 相手にしているのか。


[葵side]

全く あの娘(アザミ)たら しょうがないわねぇ

妙に 静かだから おかしいと思ってたんだけど………



「 そう言えば さっき 『食後の運動を してくる』とか 言ってたようなぁ…………」

茜が 思い出したように 言っている



全く みんな 血の気が 多いんだから !



「 覚えておけよ~ 」

クラークは 逃げ出した

それにつられて 他の とりまき の騎士達もにげだした


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