第18話水の都 を 目指して ②

[葵side]


私達が 追い付いた時 すでにモンスター達は 全部倒された後だった。


まったく、あの娘は また調子に乗って行動したのだろう

私が 茜を叱っていると 馬車から女の子が二人降りてきた。


「 私共を 助けて頂きありがとうございます

其方は 勇者様のパーティーではないでしょうか」


貴族の お嬢様らしき 一人の娘が 尋ねてきた。


「 そうです其方にいる 男性が 勇者の プリンス=ダイオオサカ です。

そして 私が アオイ 、 貴女方を 助けたのが アカネ、私の隣にいるのが アサギ です 」


( おい ! 見習い勇者と 言わなくて いいのか ?)

王子が ひそひそ声で 聞いてきた


( 馬鹿ね そこまで正直に言う必要はないでしょう)


王子は いまいち納得していないようだ

まったく 変な所で律義なんだから 要は 嘘を付かなければ いいのだ



「 やはり そうでしたか

申し遅れました 私は 『エクレア= スターライト』です。そして 妹の 『クレープ= スターライト』です。


大変 心苦しいのですが スターライト家の領都まで護衛して 貰えないでしようか


私共の 騎士も怪我をしており 助けると思ってお願いいたします 」



( スターライト家の領都は 我々の目的地である『 コタイラワサ』です

私からも お願いいたします

スターライト家 と マルゲリータ家は 同じ派閥なので、なにかと 融通が ききます

ここは 『貸し』を作っておくのが 得かと思います)


クリスが ひそひそ声で助言してくれた




クリスの助言に従い 一緒に行動することにした


馬車には お嬢様達の他に 茜と クリスが乗り込み王子は 茜の変わりに タマの上に 乗っていた。


あの 嬉しそうな顔 よっぽど乗りたかったのね


「 葵も 乗りたかったんじゃないの ? 」


「 薊こそ 乗りたいんでしよう 」

私達は 互いに笑った


茜に限らず 私達、皆 モフモフが 好きなんだなぁ


馬車からは お嬢様や 茜達の 笑い声が 聞こえてくる



[護衛騎士side]


俺達は 今 勇者パーティーと 一緒に 護衛しながら進んでいる。


「 なあ おい ! あの男の子が 勇者様と、いうことは、さっき 俺達を助けてくれた娘より 強いということか」


「 それが 解らないんだよ 俺の従兄弟が、王国騎士をやっているんだが 今回の『勇者召還』は、失敗で『見習い勇者』と、『村娘』を 召還したと きいたぞ」



「 はぁー ! 村娘だと ! あの モンスターの群れを相手に 無双してたのがか………嘘だろ ! 嘘だと言ってくれ ! それとも なにか 異世界の 村娘は 皆 あんなにつよいのか ?」



「 それは 解らないが 考えられるのは 今回の異世界人は 異常に強い のか 城の阿保たち から目を逸らす為、偽装スキルか なにかで 鑑定を 誤魔化したんだろう」



「 なんで また そんな事をするんだ ?」


「 イイヨウニ 利用されるからだろう

勘のいい奴なら 城の王侯貴族たちの 欲望に溢れた目に気付くだろう」


「 なるほど それで 逃げ出したわけだ

どちらにしても 助けられた俺達は 文句があるどころか感謝しかないがな 」


[護衛騎士side 終わり]



モフモフわんこ に 乗りながら 王子は満喫していた

すっかり観光気分の 彼になにが 待ち受けているかは誰も しらなかった。

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