第44話お隣の国から留学生が 来るらしい

今日の ホームルームで 横須賀 百恵先生 (愛車は 真紅の ポルシェ )の 連絡に どよめきがおきた



なんでも、お隣の国『漢』から留学生が 来るらしい。

『漢』は 僕達『ジパング』と同じ位 古く歴史のある国で、『魏』『蜀』『呉』の中心にあり四ヶ国による連合国家である。


そう 『中華人民共和国』はなくて『漢』が滅びずに存在しているのだ。


俺は叫びたくなるのを必死に我慢した。

『ギャルゲームのスタッフ』いくらなんでも盛りすぎだろう !


留学生は なんでも次期 皇帝で あの『劉邦』の子孫だと言うことだ。

隣の席の 姫子ちゃんが 物凄く複雑な顔をしていた。

先生が教室から出て行った後 蜂の巣をつついたように大騒ぎになった。

そんな中 姫子ちゃんだけが 頭を抱えていた


姫子ちゃんは『項羽』の転生者で 記憶もある程度残っているらしいから思う事が有りすぎるだろう。


他のクラスメートは はしゃいで楽しみにしているようだけど、悩んでいる姫子ちゃんに なんて声をかけるか 僕は 考えた。


姫子ちゃんの話しが本当なら 僕は『虞美人』の転生者らしい。

その頃の記憶が 全く思い出せないけど 前世の『おっさん』としての経験から 慰めようとしたけど 考えてみたら 前世の年齢 イコール 彼女いない歴なのであきらめた。


なので 黙って頭を撫でていた



[姫子side]


留学生が来る ………それはいい……だけど『漢』が 残っていた、なんて信じられなかった。

項羽として 死んだ私は自分の死後 劉邦が大陸を統一するまで、『霊』 となって見ていたのだ。

その後の記憶がないので統一を見てから 天に昇ったのだろう。

今まで ろくに勉強をしなかったのが 悔やまれる、なんだかんだ 有りながらも 二千年近く あの大陸で存在し続けるなんて 誰が信じられよう。

ましてや 今度来る留学生は『劉邦』の子孫だという。

なんという皮肉か 私は どんな顔をすればいいか悩んでいた。

ふと 誰かが 頭を撫でていた

見上げると恭介が静かに 心配した顔で 私の頭を撫でていた。

その姿に『虞』が重なり 再び恭介の顔を認識した私は

「 恭介~ 恭介~ 」

と 抱きついて甘えていた。

恭介は 黙って優しく撫で続けてくれた。


もう 大丈夫 今は あの頃とは違う!

私には 仲間がいる あの頃と おなじ失敗はしない !

今度こそ 『虞 』と いや 恭介と 幸せになる !

まぁ 一人占め出来ないのは 口惜しいけど 愛たちとは 気が合うし 他のメンバーも 妹みたいな感じだ?


この子達と 家族に成るのも 悪くない

もう 私は 一人ではないんだ 恭介だけではなく この仲間も大切にしよう。

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