第7話 千葉 真弓 ①

どうしよう どうしよう わたしの せいで

きょうすけくんが けがを してしまった。


さいわい たいしたことは ないらしいけど

きょうすけくんに きらわれて しまったのではないかと めのまえが まっくらになった。




「 真弓 恭介君は 大丈夫だから そんなに 泣かないの 恭介君は 真弓の ことを 嫌ったり しないわよ。 恭介君が やさしいのは

真弓が 一番 知っているでしょう! 」






おかあさんは ああいうけど もし きょうすけくんに きらわれたらと おもうと なにも かんがえられないよ。







きょうすけくんは やさしい。



とても とても やさしい。



きょうすけくんは わたしの おうじさまだ




だけど わたしは もう まもられているだけの おひめさまは いやだ。



わたしは つよくなる。



きょうすけくんの となりに いるためにも


きょうすけくんの うしろで まもられているだけでは すきになって もらうしかくは ないと おもう。




きょうすけくんの まわりは すてきな おんなのこばかりだ。





このままでは だれかに きょうすけくんを

とられてしまう。




だいすきな きょうすけくんは だれにも わたさない。









「 真弓 ! 恭介ちゃん が 来てくれたわよ! 」



わたしは いちもくさんに かけだした。




きょうすけくんが いる!



「 きょうちゃん きょうちゃん きょうちゃん 」




わたしは なきながら きょうすけくんに だきついた。




きょうすけくんは わたしの あたまを なでながら



「 僕は 大丈夫だよ。 だから 泣かないで 真弓ちゃんが 笑って いるほうが 僕は すきだよ 」




わたしも わたしも きょうちゃん の ことが だいすきだよ!




わたしは せいいっぱいの えがお で



「 うん!」


と わらって へんじを した。

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