第5話 群馬 栞 ①

「 裏の 恭介ちゃん 怪我 を して 病院 に 行った そうよ 」


おかあさんが おとうさんに はなしているのを きいて わたしは よんでいた ほんを おとして しまった。



「 おかあさん! ほんとうなの! きょうすけくんは きょうすけくんは………」




「 栞 落ち着いて 恭介君は 大丈夫だから! ただ 念のため 1日 安静に して 様子を 見るからに 明日 お見舞いに いきましょうね。 」



おかあさんが だいじょうぶ と いうと

とても ほっとした。






だけど だけど とても きになって だいすきな ほんが よめないよ。




きょうすけくんは とても やさしい おとこのこだ。



あまり そとで あそばないで おうちで ほんばかり よんでいる わたしに つきあって

いっしょに ほんを よんで くれている。



それだけじゃなくて たくさん たくさん いろんな おはなしを してくれた。



おそらに うかぶ おしろの おはなし



まおう から おひめさまを たすける ゆうしゃさま の おはなし



とおく はなればなれになった おかあさん を さがしに ぺっと の おさるさん をつれて たびをした しょうねんの おはなし



きょうすけくんは いろんな おはなしを しっている すごい おとこのこだ。



それに ほかの いじわるな おとこのこたち と ちがって やさしい かおを している。


まるで おんなのこみたいだ。


ほかの おんなのこたち と あそんでいても しらなければ だれも おとこのこ だなんて わからないと おもう。






「 栞 も 大変ね 強力な ライバル が こんなに いるなんて 只でさえ 男の子が 少ないのに 恭介ちゃん みたいな 可愛くて やさしい男の子 なんて 頑張りなさいよ。

お母さん も いっぱい 応援するからね。 」





うー そんなこと わかっているよ!


だけど みんな かわいい おんなのこなのに じみな わたしなんて かなうわけないよぉー!




だけど だけど やっぱり ほかの おんなのこに きょうすけくんを とられたくないよぉー!





とにかく あした きょうすけくんの おみまいに いこう!



わたしの おきにいり の ほんを もっていって よんで あげよう。


きょうすけくん よろこんでくれるかな


えへへ はやく あしたに ならないかなぁー



だいすきな きょうすけくんに はやく あいたいな。

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