第4話 神奈川 さくら ①

「 さくらちゃん お迎えの恭介君 、目が 覚めたそうよ 」



おかあさん の そのこえが きこえたとき ぼくは

おうちを とびだしていた。



だいすきな おにいちゃんが おおけがを したと きいたとき めのまえが まっくらになってしまった。




おにいちゃん おにいちゃん おにいちゃん




きがついたら ぼくは おにいちゃん の おうちの どあを たたいていた。



「 おにいちゃん! あけて! さくら だよ

おにいちゃんー! 」



どあが ひらいた。



そこには いつもの ねむたそうな めをした おにいちゃんが いた。


「 おにいちゃん おにいちゃん 」



ぼくは おもいっきり おにいちゃんに だきついた。



おにいちゃんだぁ


おにいちゃん の におい あたたかさ を かんじたとき ぼくは とても あんしん したんだ。




「 さ さくらちゃん どうしたの? 大丈夫かい? 」




おにいちゃん の こえが きこえたとき ぼくは うれしくて なみだが とまらなかった



うれしくても なみだがでるなんて はじめて しったよ!




おにいちゃん が ぼくの あたまを やさしく なでて くれた。





えっへへ やっぱり ぼくは おにいちゃん が だいすきみたいだ。




ほかの おとこのこ なんて らんぼうだし くさいし きたないし ぼくは きらいだ。





それに くらべて おにいちゃんは やさしいし きれいだし いいにおい がするんだ。




どうして ほんとうの おにいちゃん じゃ ないんだろう。



はるか おねえちゃん も とうかちゃん も

ずるいよ。



ぼくも おにいちゃん の ほんとうの いもうとなら ずっ~と いっしょに いられるのに。






「 あー さくらちゃんだ ! とうか も おにいちゃん に くっつくー おにいちゃん

とうか も なでなでして! 」



とうかちゃん も おにいちゃんに だきついた。



もー いつも いっしょに いるんだから

すこしくらい ぼくに ゆずってよ!



ぼくは おにいちゃん と ふたりで いたいのに いつも ほかの おんなのこが くる。



はるかおねえちゃん とうかちゃん まゆみちゃん あいちゃん まいちゃん みいちゃん しおりちゃん




おかあさんが いっていた。


「恭介ちゃんは もてるわね。 さくら ライバルが 多いの だから 頑張らないと 恭介ちゃんの お嫁さんに なれないわよ! 」



おにいちゃん の およめさん………



エヘヘ


そうだ! ぼくは おにいちゃん の およめさんに なるんだ!




「 ま まだ 嫁に いく話しなんて 早すぎるだろ。 さくらは どこにも 嫁さんに やらん! 」



おとうさんが なんか いっているけど かんけいないもん!





ぼくは おにいちゃん の およめさんに なるんだもん!

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