第4話 会議
「始零ちゃんに変わったのね?」
「はい。いくらなろう主人公でもこういうセッティングは私の方が得意なので」
私と共存しているもう一つの人格、神楽坂優來はなろう主人公と言われるほど万能であり確かに何でもする事が出来る。勿論すべてが全て完璧に出来るわけではないが人並み以上にはする事が出来る。
出来るのだがそれでもこういうセッティングなどは私の方に軍配が上がるのだ。それを理解しているからか優來だって私と変わってくれた....んだと思う。
「確かにそうね。あ、これ始零ちゃんの社員証だから」
「ありがとうございます」
私も表向きはこの会社に所属していることになっているので前から奏さんと姉さんに社員証を頼んでいた。頼んだのが一か月程前になっているのだがそれは優來の炎上の件で色々忙しかったみたいだし仕方ない物と捉えよう。
それに社員証だって絶対に必要、という代物ではないのだ。
「私お茶菓子持ってきますね」
「よろしくね始零ちゃん」
ある程度セッティングはできたのでお茶とお菓子を持ってこようと私は会議室から出た。後は奏さんに任せれば2分くらいで終わるという所までは完了させている。
そんな背景があるから私は特に気にすることなくお茶を取りに行くことができるのだ。
「おっと」
「あっ、すみません....」
お茶を取りに行く途中日本人にしては珍しい赤色の髪をした少女と金髪の少女とぶつかってしまった。
この2人をこの会社で見たことはないのだがまぁ、ここにいる時点でなんとなくは察しがついている。私がこの会社であったことがないのは新入社員とVtuberの魂、要するにライバーだけである。
新入社員の可能性もあるのだが社員証をつけていないのでその可能性はなくなった。つまりこの2人はライバーということになる。
もしかして優來の同期かも?と思ったが私にはあまり関係ないので気にしないことにした。向かっている方向が会議室なのでそこに行けば全てがわかるだろう。そう判断したのだ。
「奏さんお茶持ってきましたよ」
「ありがとね」
お茶を入れてお菓子を少し持ち会議室に戻るとそこには先程ぶつかってしまった2人と準備を終わらせていた奏さん。そして奏さんにしばかれている姉さんの姿があった。
姉さんが奏さんにしばかれているのはいつものことなので別に気にしなくてもいいだろう。問題は私がぶつかった2人が何者である、ということだ。
「
誰かわかっていない様子を出している私を気遣ってか奏さんがそんなことを言ってきた。
本当に気遣いのできる凄い人だ。どっかのダメダメ社長とは違って....
「
「
「神楽坂始零よ。よろしく」
外見は似ていないのだがどこか姉妹っぽさを出している
まぁ、姉妹ぽいというか従姉妹とかそこらへんなのだろうが....
「2人は陽炎と雷陽の魂を担当しているから覚えておいてね?」
「了解です。私はこれで帰っていいですか?」
「ありがとうね。始零ちゃんはもう帰っても大丈夫よ」
私というよりかは優來に向けてのメッセージなのだろうがあいにく優來は今日から一週間ほど意識が完全に消えるので奏さんの言葉が伝わることは無い。まぁ、別に私が交代するときに伝えればいいだけの話なので特に何か問題になる...というわけではない。
奏さんに変える許可はもらえたので私は2人に軽くお辞儀をするとそのまま速足で車まで向かう。優來の記憶の中に姉さんの車で来たことが写っていたので場所は分かっているし車のキーは私が持っているのですぐに車は出せる。
「あ、今日配信しちゃおうか....」
私は、
「さてと、帰りますか...」
配信開始時間までまだ時間はあるのでどこか寄り道しながらゆっくり帰ろうかなーと、軽く考えながら車を発進させる私だった....
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【一週間ぶり!ホーラのFPS20連勝耐久配信】
:ホーラの配信久しぶりだな
:流石怪物、久々の配信の内容がぶっ飛んでやがるww
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:やっぱサムネ可愛いなー(現実から目をそらしつつ)
:流石登録者6000万人越えwwやることが違うww
:というか今更だがサムネのインパクトヤバいな
:一見すれば美少女が銃持っている絵だしね...
:ってか何故一週間配信してないのに登録者伸びるんだww
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