おデブなオレが痩せてモテまくりだけどどうしても幼い頃優しくしてくれたあの子が忘れられない

猫の集会

第1話

 オレの名前は、琢也 准

 タクヤ ジュン

 

 

 オレは太っている。

 産まれた時からぷよぷよ。

 両親もまるまるしていてお腹もどっぷり出

 ている。

 兄貴もまるまるしている。

 

 そして家族みんな色白…

 

 

 でも、親戚からはぷよぷよでかわいいねぇ、

 なんて言われていた。

 だから自分は、かわいいのだと思い込んで

 いた…

 

 

 結構長い事…

 

 

 でも、ある時知った。

 かわいいなんて思うのはごく一部の人間だ

 けなんだと…

 

 

 小学生の頃好きな女の子がいた。

 

 席が隣になりよく話をするようになりその

 うち次第に惹かれた。

 

 名前は、瀬戸 セイラちゃん。

 

 オレはトイレから帰り席に座ろうと向かっ

 た。

 

 

「ねぇ、セイラ。准と最近仲良いじゃん」

「あー、席隣だしなんか話しやすいんだよね

 ぇ。」

 セイラちゃんがクラスの山田さんと話して

 いた。

 

 なんかオレの話してる…

 席に戻りづらいぞ…。

 

 

「まさかセイラ、准の事好きなんじゃん⁉︎」

 するとすかさずセイラちゃんは、

「あー、それはない…かなー…」

「それなっ。」

 山田さんが笑った。

 

 

 セイラちゃん…

 …それはないって…

 なんなんだよ⁉︎

 

 

 オレの容姿がこんなんだからあるわけない

 って事なわけ⁇

 

 でも、たしかにセイラちゃんとオレじゃ釣

 り合うわけもないよな。

 

 セイラちゃんは、長いサラサラの髪。

 痩せてて美人…

 頭も良いし運動だってできる。

 ピアノも上手だと聞いた事がある。

 

 オレは…

 太ってて運動もできない。

 頭だってそんなに良くない…

 背も低い。

 

 そりゃ、圏外だよな。

 

 

 それから数週間後

 

 

 席替えが行われた。

 

 

 もうセイラちゃんと隣じゃない。

 

 そして話すきっかけもなくなり次第にただ

 のクラスメイト。

 

 席が隣の時は、あんなに毎日話をしていた

 のに…

 

 

 そしてクラス替え。

 

 別々のクラス…

 

 

 まるで接点がなくなった…

 

 

 話さなくなり卒業までずっと別のクラス…

 

 もう、何年も話していない。

 

 

 卒業と同時にセイラちゃんは、転校してし

 まった…

 

 結局、オレの初恋はそんなもんで終わりを

 迎えた。

 

 中学に入り早々に隣の席の女子、田川さん

 に一言がっつり言われた…

 

「鼻息荒すぎ。教室の空気全部吸い込むなよ

 な」

 なんて言われて鼻で笑われた。

 

 

 つっっ……

 

 そうか…

 今まで言われなかったけど、隣になる席の

 人みんなきっとそう思ってたに違いない…

 

 

 きっとセイラちゃんも…

 

 

 だから、みんなオレと隣になると微妙に机

 を離していたのか…

 鼻息がうるさいから…

 

 でも、セイラちゃんだけは、机離さないで

 いてくれたんだよなぁ…。

 

 

 あぁ、セイラちゃん…

 元気かなぁ。

 

 

 

 オレは、いつまでぷよぷよでい続ける⁉︎

 

 親も兄貴もまるまるだからどうせオレもこ

 のまま、まるまるって思ってたけどこのぬ

 るま湯からなんだか急に抜け出したくなっ

 た。

 

 

 なので、思い切って部活はサッカー部に入

 った。

 

 

 同級生の友達に大丈夫か?なんてからかわ

 れだけど、オレは変わるんだ‼︎

 やってやるんだ‼︎

 

 そして自分にさらに自信が持てるように、

 勉強も頑張った‼︎

 

 

 休みの日は、ジョギングと勉強。

 

 

 やればやるだけ成果がでる。

 おぉ、おもしれー。

 

 

 体重は、みるみる減っていく。

 部活のおかげで肌もぷよぷよの真っ白から、

 少し引き締まったこがねいろになりつつあ

 る。

 

 

 夏休みは、とにかくスケジュールを作り

 がっつり自分を鍛えた。

 

 

 なぜか背も急激に伸びた。

 ここは、思いきって髪型も変えてみた。

 

 

 兄貴は、びっくりしていた。

 いや、両親もこんなにやれる子だと思わな

 かったなんていうじゃないか。

 

 

 夏休み明け

 

 クラスがざわついた。

 

 田川さんなんか、転校生?なんて言ってき

 た。

 

 

 んなわけあるか‼︎

 面影あんだろーが…

 

 

 って思ったけど面影が残らないくらいオレ

 は変わったようだ。

 

 

 クラスの女子がチラチラ見てくるじゃない

 か。

 これは、良い方の意味で。

 クラスどころか、他のクラスの女子までも

 休み時間に見に来ているぞ。

 

 

 今までは、席が隣になっただけで泣かれた

 事もあった。

 

 そのオレが今、モテはじめているじゃない

 か。

 

 

 ってか、新学期早々

 何人にも告白されまくりだ…

 

 人間見た目が大事なのだろうか…

 

 性格をよく知らないのに告白とかしていい

 んだろうか?

 オレと一言も話した事ないのに好きですっ

 て言われても…

 モテるけど、これはどうしたもんか…⁈

 

 

 続く。

 

 

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