Lost of children’s
夢兎
プロローグ
三つの国が連なる大国マスティカル。
中心に広大に位置する国アーデル。その左側に位置する国シューピリア。そして右側に高くそびえ立つ国コクールン。
約二千年の歴史があるマスティカルはかつて一つの国で同じ人種の人々が暮らしていたが、思想家や価値感のずれから争いが始まり、三つの国に分離して国境を作って隔て、それぞれの文化や営みを尊重した事で争いは起きなくなり、均衡が保たれていた。
国土の中心に位置する国アーデルは、産業や芸術、文化を尊重し、諸外国から観光客が多く訪れる先進国となった。
左側に位置する国シューピリアは、神話を重んじ、神を祀ったりと未来永劫語り継ごうとしている発展途上国。産業や思想も神話が誕生した時からほぼ変わらない。白夜が多く、色素の薄い人々が多い。
そして右側に高くそびえ立つ国コクールン。アーデルやシューピリアの交流が無く、謎に包まれた近代国家。空まで行きそうなほど高い崖の上に国があるという事もあって情報はほとんど伝わって来ないものの、技術の進歩が著しく、アーデルとは桁違いの先進国である。そんなコクールンは、独裁国家ではないかと囁かれていた。
創造暦1900年、コクールンはマスティカル全土を独裁しようと中立派のアーデルと、正教派のシューピリアに宣戦布告をした。これを「第一次独裁戦争」と言い、コクールンが独裁国家と判明した瞬間だった。
技術的にも戦略的にも上手なコクールンは、次々とアーデルやシューピリアを侵略していく。アーデルやシューピリアも旧兵器で立ち向かい、苦戦を強いられても中々降伏せず交戦状態が続き、数十年経った今でも戦争は続いている。やがて戦死者が出続け、兵士不足となった。
そこで、アーデル政府は兵士不足を奪還すべく、新たな軍事法を設けた。
それは「孤児軍人育成法」…
18歳までの孤児の子ども達を軍人として養育する法律…
この法律によって孤児の少年少女達の運命は大きく変わってしまうのだった…
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