第202話 集結10

「だから、私が海王だと言ってます!」


ウミさんが食い下がる。


「はん!

 誰が信じるかよ!

 このエリート宮廷魔道士の目は誤魔化せないからね!!」


シオンも引かない。


その足元で執事さんが濡れた絨毯を必死に拭いていた。


ウーン、シュールな絵だなぁ‥。


「だったら見せてあげますよ。

 私の本当の姿を!!」


ウミさんは啖呵を切ると何故か服を脱ぎ出す。


え?

何をしてるの???


「ちょっ、何をする気だ!」


シオンが狼狽え出す。


「ふん!

 今さらビビっても、もう私は止まりません!!

 さぁ、海王である私を怒らせた報いを受けなさい!!

 海王の真の姿を‥」


ウミさんが何かをしようとすると、その喉元にナイフを突きつける執事さんがいた。


「これ以上の狼藉は許しません!

 真の姿?

 そんなに見せたいなら風呂場でお願いします。

 あと、そこのヘッポコ。

 この方は正真正銘の海王様です。

 私が言うのですから信じなさい。

 それとも私の事が信じられませんか?」


ウミさんが泣きそうになり、シオンが何度も信じますと呟いていた。

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