第168話 幕間 朗報2

海王の手が震えていた。

それほど今回の情報は衝撃的であった。


まさかアノ忌々しい大岩が壊れるとは‥。


海王と呼ばれる女は昔を思い出していた。


父が海王として国民を守っていた頃のこと。


豊かな海で皆が幸せに過ごしていた日々のこと。


神々が人間に味方して、9割以上の国民が大岩によって海の底に閉じ込められてしまったこと。


閉じ込められた国民の命を守る為に自ら冷凍保存された父のこと。


残った者で細々と生活してきたこと。


父に代わって自分が海王になったこと。


サンマルの大岩が壊れるのならあの大岩を壊せるはず。


まずは情報が欲しい!

誰がサンマルの大岩を壊してのかを。


「何か情報はないのか?」


飛び込んできた男に尋ねるが何も知らないとのこと。


「あっ!」


飛び込んできた男が何かを思い出したようだ。


「大岩が壊れた原因調査に王都から調査団が来るとの事でした。」


王都から調査団?

原因がわかってない?


壊したのは人間じゃないなか?

サンマル?

最近その名前を何処かで聞いたような‥。


海王は焦る気持ちを落ち着かせる為にサンマルの事を思い出そうとするのであった。

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