第109話 ネーミングセンス

獣王のパンチで肋骨が何本か折れたようだ。

しかも吐血までしたので内臓とやられたようだ。


すると脳内にアナウンスが流れる。


『ねこパンチ』をラーニングしました。


え?

今のパンチ、ねこパンチって名前なの??

ネーミングセンス悪!!


でも助かった。

こうなったらヤケクソだ!!

お前にもねこパンチをおみまいしてやる!!


俺は余裕しゃくしゃくの獣王の腹に渾身のねこパンチを叩き込むのであった。


「ねこパンチ!!」


バキッ!


もともと折れていた俺の手がさらに砕けたようだ。


しかしさっきと違って獣王の表情が変わった。


ん?泣いてる??


どういうこと??


「お、お前もねこ拳の使い手か?」


獣王が目をキラキラしながら話しかけてくる。


いやー、この流れでNOとは言えないよね?


「もちろん、俺がねこ拳だ!」


やばい、痛みでどっかのマイスターのようなセリフを言っちゃったよ‥。


俺のセリフを聞いて獣王がヨロヨロと近づいてくる。


ヤバ、もう戦える力残ってないよ。


抵抗を諦めかけた俺に近づいてきた獣王はなぜか俺を抱きしめる。


バキッボキッ!


俺は薄れゆく意識の中で自身の骨が砕ける音を聞くのであった。

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