第48話 家

 ギルド長に後は任せて受付に戻り、家の相談をする。


「家を買いたいと聞いておりますが、間違いないでしょうか?」


受付嬢のフローラさんが尋ねてくる。


「はい、買いたいと思います。」


「冒険登録したばかりなのに家を買いたいだなんて‥。もしかしてお金持ちのボンボンとか?」


背後にいた受付嬢さん達の話し声が聞こえてくる。


フローラさんにも聞こえたようで眉がピクピク動いていた。


お怒りのようで、その雰囲気を感じたのか話していた受付嬢さん達が逃げていく。


フローラさんが気を取り直したのか話を進める。


「いくつか質問がありますのでお答え下さい。」


「はい、宜しくお願いします。」


「家は街の外と街の中のどちらが良いですか?」


「えっ、街の外は危険では?」


素直な疑問を伝える。


「そうですね、街の外にはモンスターがいますので安全ではないですね。」


フローラさんがサラッと問題発言をする。


「出来れば安全な方が良いです。」


フローラさんが俺の回答を紙に書き込む。


「では、部屋は何部屋ぐらい‥」


フローラさんが質問を続けようとすると魔王様が口を挟む。


「あ〜、まどろっこしい!10人ぐらい住めて広い風呂のある屋敷を探してくれ!」


「屋敷となるとお値段が高くなりますよ。」


「金ならある。」


男前な魔王様であった。


「わかりました。それでは明日までに候補を数件探しておきますので、明日お越しください。気に入ったのがあれば直接見に行けるように手配しておきます。」


そう言うとフローラさんは仕事に戻って行ったのであった。


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