第15話 死にました

 真っ暗になると、太鼓の音が響く。

すげ〜、応援団みたい。


感心していると大きな声が響く。


「魔王様、入場!!」


 真っ暗な空間にライトが照らされる。


 そこには魔王様が巨大なドラゴンの背に乗っていた。


 ツインテールが風になびいて、カッコいい。


 そりゃー人気出るよね。

ゴツゴツしたモンスターの中に、あんなロリがいたら‥。


 ヴァンパイアに威圧されながら闘技場の中央に歩いていく。


 ここは腹をくくるしかない。

俺はマスクを取り出して、装備する。


*******************

魔王side



 久しぶりの強者だ。

もう興奮し過ぎて、イキそうになる‥。


 ちょっと変わった格好をしているのが尚良い。


 おっ、マスクをつけ出した。

やる気になったみたいだ。


 どんな攻撃してくるかなぁ‥。

もう我慢出来ない。


 観客も盛り上がって、最高のシュチュエーションだ。折角だし、もっと盛り上がるか。


「おい、火炎放射!」

ドラゴンに指示を出す。


 さぁ、地面を燃やしてカッコイイ戦いを演出してやったぞ。


 強者よ、ワレの気持ちに答えてくれ!!


*******************


 何か魔王様の顔が赤い。

息も荒いようだ。

もしかして弱いのがバレたのかなぁ‥。


ん?

ドラゴンの口元から火が漏れてる?


 咄嗟に逃げようとしたが、物凄い広範囲で足元が燃えた為に避けることも出来なかった。


 俺は薄れていく意識の中、『火炎放射をラーニングしました。』と言うアナウンスを聞きながら死ぬのであった。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る