秋が過ぎると共に去った恋 〜まだ好きじゃだめですか?〜
抹茶レモン
第1話
あなたと出会ったのは4月。惹かれるまでに1ヶ月もかからなかった。
私は上月華。
冴えない女子高生だ。趣味はイラストを描くこと。周りには少し地味だと言われるほど。そんな私に声をかけてくれる人がいた。
その人は矢田玲央。とても明るくてクラスの中心人物。彼とは出席番号が一緒だった。彼の第一声は
「上月、絵上手いな」
その一言がとても嬉しかった。そして矢田を好きになった。
彼の周りにはいつも可愛い子がいる。私もそれに釣り合うように努力をしようと決意した。
そんなことを思っていた6月。しとしとと雨が降っていた。友人が
「雨、凄いね〜」
と呟く。それに便乗して
「そうだね」
と返す。友人は一言で表せば「天照大神」。とっても明るくてなんで私と仲良くしてくれてるのか不思議なくらいだ。
ふと、矢田が視界に入る。周りには数人の女子と男子がいる。彼は女子といる時の印象が強い。いわゆる天然タラシなんだろう。でも、ものすごくモヤモヤする。友人はそれを察したのか
「もしかして、矢田のこと好きなの?」
とからかい気味に言ってくる。図星だ。その態度を見て友人は確信したようで矢田を呼びに行った。
「上月!どうしたんだ?」
まずい。話す内容考えてない!!!と私は慌てふためいた。
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