第1話遅刻します
今日、道の真ん中で猫が落ちていた。赤く潰された腹からは、何かが出ていた。
昨日、道の隅でカエルが落ちていた。ぺったんこになった体はかぴかぴに乾いていた。
気づくのは明日になるのか。
気づかれるのはそれより先になるのか。
それとも、誰にも気づかれずにいつの間にか消えていなくなってしまうのか。
俺は、遅刻常習犯。
いつだって誰かを、何かを待たせて遅れを取る。そんな性分に生まれた遅刻野郎。
最期に一度会おうと、古い友人から手紙が届いた。
これが最期だと、俺は間に合うように張り切った。
待ち合わせの時間は、手紙が届く一年前だった。
俺は遅刻常習犯。
どうしたって、どうやったって遅れてしまう。そんな、奴。
みんな。知ってるだろ?
知ってて、受け入れてくれるから、いつだって俺のこと待っててくれるんだろ?
こんな俺でも、みんなは振り返って見てくれるんだろ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます