自身が綴る超短編集

宮崎 ソウ

第1話 傷の内側



お前に何がわかるっていうんだ。

傷付き、それを続けてくたびれた気持ちが。

何度もそう言うから修復を激しく拒む。

よおく見てみろ。

傷の内側に何がある?

憎悪か? それとも苦悩か?

なんならお前を傷口にねじ込んでやる。

大量の薬も詰めてお前を破壊するぞ。

何が見えた? 何を思った?

何も見えない、そうだろう?

見えたなら苦労しねえよ。

どす黒い内側がそこにあるだけだ。

目を閉じてみろ。

幾多の悲鳴があちらこちらからやって来る。

お前はそれを消し去りたいんだろ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る