甘皮が伸び過ぎているせいで気持ち悪がられた

ショートメイ

甘皮ミステリー ―甘皮は爪を保護するためにある―

 この度は私の甘皮事情に興味をもってくださり、ありがとうございます。


 初めてエッセイを書くショートメイです。


 改行や書き方などとにかく自由に書いてみます。肝心なところは私の爪ですから。



 まず、私のネイル経歴からお話しします。

 初めてネイルサロンに行ったのが先月上旬で、いろいろと予定があったため二週間ほど楽しんだ後ネイルオフをしてもらいました。マニキュアは一年以上前に時々塗っていましたが、その時に甘皮処理をしたことはありませんでした。



 私は元々一般的な耐久度の爪をしていると思います。また、ネイリストさんから一回のネイルでボロボロになることはないから安心してと言われていました。

 そのため、重点的に爪のケアなどは行わず、ハンドクリームを爪の根元にも塗り込む程度で過ごしていました。



 初めはやっぱり爪の表面に細かい傷入ってるなとか血色悪いなとか、爪ばかり気にしていました。でもネイルオフしてから一週間ほど経過し、甘皮が伸びてきたことに気付きます。

 私の手は甘皮がある指とない指が存在していて、薬指とかは甘皮処理が必要ないくらい綺麗でした。前まではそうだったのに、全ての指の甘皮が伸びていたんです。

 しかし、そこまで気にすることではないと思い、わー甘皮処理してもらってもさすがに伸びてくるんだなと呑気に考えていました。



 そこからさらに一週間、二月に入った頃です。トイレにいる時とかによく爪を見るようになりました。甘皮が伸び続けていたからです。

 大抵の甘皮はある一定ラインから先には伸びませんよね。爪の十分の一程度で収まるじゃないですか。でも私の甘皮はずっと伸び続けているんです。

 さすがに気になってきてしまい、悶々と考えるようになりました。

 しかし、それでも私はこれ以上伸びないだろうと放置してしまいます。




 そして、ネイルオフしてから三週間経過し、現在に至ります。



 甘皮、まだ伸びてます。



 さすがにこれはおかしいなと思いました。でも見慣れてしまったため、これがどのくらいおかしいのか判断できませんでした。だから妹に見せることにしました。

 妹はある程度大きくてよく私の相談相手になってくれるため、信頼できる人です。



「私の甘皮伸びてる気がするんだけど、どう思う?」



「うわ、きもっ!!」



 普段私にきもいなんて全く言わない妹が反射的に発した言葉が胸に刺さりました。悲しすぎて発狂しました。

 妹はどうせ爪の十分の一くらいだろうと思って見たら、五分の一ほど占めていて驚いたそうです。あと甘皮が絶妙に薄い色だったため、爪が三色になっていて気持ち悪いそうです。そうして、これは長すぎるおかしいと教えてくれました。



 そこから私たちはこの甘皮について議論しました。



 一番の問題はこれから人と会う約束があることです。

 こんな気持ち悪い爪を見せるわけにはいかないため、隠す方法を考えようとしました。しかし、妹はそのまま晒せばいい、先に自己申告して気持ち悪いって言わないでと言えばいいと主張してきました。



「そんな感じの仲じゃないから無理!」



 我儘なお姉ちゃんでごめんねといつも思っています。

 そして、これから会う人とは自虐ネタを言えるような関係じゃないし、爪が気持ち悪いと感じてもツッコんでくれない仲だから隠したいと説明しました。



 そこから一生手袋をするとか甘皮を切ってしまおうかとか対策を練りました。甘皮処理は結構名案だと感じましたが、何しろこの甘皮様子がおかしい。

 こいつを削り取ったらやばい気がすると本能が訴えてくるんです。だからこのままどこまで伸びるのか挑戦することに決めました。



 そこからそんなにおかしいなら実は別の物なんじゃないかという話になりました。私の予想をご紹介します。



 本当は爪説

 ネイルオフの時に表面を削ったから、何枚も重なってできている爪の一枚分削られている。そのせいで、伸びてきた爪とネイルをしていた爪に段差が生まれたのではないか。



 しかし、この説はおそらく違います。なぜなら伸びている部分が皮膚のような触り心地だからです。爪の表面を別の爪で擦る時の感触はツルツルしていますよね。でも伸びている部分はツルツルしません。さらにクッションみたいな感じで、別の爪からの衝撃を和らげるポテンシャルがあります。マットな質感なんです。

 だからやはり甘皮だと思います。



 結局甘皮ごとマニキュアを塗り、隠すことにしました。そのために少しでも自然に見えるよう、クリアレッドという透け感のあるマニキュアの色を選びました。

 しかし、その透け感がさらに気持ち悪さを助長しました。グロイ方向で赤い上に甘皮を隠すこともできません。毒々しい三色の爪になりました。薄い色だったせいだと判断し、黒を塗るとそのマニキュアも透け感があってダメでした。

 家族にあれこれ言われながら格闘すること一時間。もう諦めるしかないと気付き、全て除光液で落としました。

 するとその時に何度も爪を擦ったせいなのか、爪と甘皮の段差がなめらかになりました。純粋に摩擦ってすごいと思いましたが、まだ三色のままです。

 でもどうしようもないので、私はありのままの爪で外を出歩くことにしました。やれることはやった、と少し達成感を得ていると、最後の最後で更なる衝撃を食らいました。



 甘皮の上に甘皮が重なっている……。


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