異世界召喚された俺は余分な子でした〜エラーから始まる異世界物語〜

第374話 屋敷

　ヒナタが着陸してここに降りるようにと言うも、何もなさそうだったので尋ねた。

「何もないぞ？」

「このような場所ではありますが、万が一の時を考えて隠蔽をしております。今解除いたしますわ」

　そう言うと隠蔽が解除され、何もなかった山肌に大きな屋敷が見えた。

「わが主よ。私は今から人の姿になります故、私の裸体を堪能したいのでなければ服を出して頂けると助かります」

　そう言うとヒナタはまた女の姿に戻った。俺は日向に合うサイズのワンピースを出してヒナタの前に行き、着せてあげる事にした。

「万歳をして」

　万歳をさせ、上からワンピースを着せて行く。

「おっ！中々に似合うじゃないか」

　また、サンダルを出して、そのサンダルを履かせた。そして手を取りクリーンと唱え、クリーン魔法を掛けたりした。何故か甲斐甲斐しく世話を焼きたくなる。

「ありがとうございました。では案内します故、お屋敷にどうぞ。ただ、ご主人様がその、男性ですので、男性を見て娘達が怖がるかもしれません」

「どんなふうに教えているんだ？」

「そのですね、普段から男は獣だと教えていて、男は獣で妙齢の歳の女性を見ると、盛りの付いた獣のように交尾をする事しか考えませんよ！乱暴に扱われて痛い思いをし、犯されたりの辱めを受ける。そういう事をするのが男だと常日頃から教えております」

　俺はため息をついた。

「分かっていると思うが、かなり歪んだ考えだぞ。確かにそういう奴もいるが、殆どの男はそういう奴じゃないんだぞ」

「そ、そうなのでございますか？」

「君は昔犯され掛けたと言うが、それはドラゴンじゃないのか？」

「はいドラゴンでございます」

「人族の問題じゃなくて、ドラゴンの問題じゃないのか？」

「そうなのでございますでしょうか？私には・・・私には分かりません。助けてくれたドラゴンも男は獣だと言っておりました」

「なあヒナタ、お前は俺を見て所構わず女を犯しまくるような獣に見えるか？確かに俺は複数の妻を娶っているが、女性を犯した事なんて一度もないぞ。それに彼女達を見ろ」

「はい。主様と一緒におりますが、彼女達は確かに生娘でございますね。何故ですか？４人共かなりの美人ですのに」

「話が複雑になるが、俺が愛する女性は、俺が初めての相手だった場合、刻印というのが刻まれるんだ。そうする事で俺が死ぬまでか、刻印を消すような、そう浮気をして刻印が消えない限り年齢が固定されるんだ。因みに俺の寿命は１万年以上有るらしい。彼女達を見ろ。まだ大人の体じゃないんだ。あと３年位して、成熟した女性の体になってから年齢を固定してあげたいんだ。既に妻ではあるが、体の関係になっていないのはそういう事だ。彼女達がもう大人の年齢で有れば愛し合っているはずだ」

「私は既に大人ですから、主様に愛して頂く事ができるのですね。主様、私と交尾してくださりませんか？主様は強いです。強い方の子が欲しいのです」

　俺達はみなぽかーんとなった。先程からずっとヒナタの感じが違うのだ。最初は何々ですじゃあ、と語尾にじゃあを付けていたが、今はそれがないのだ。

「不思議なのです。先程あのシェルターという物の中で主様に触れられてからというもの、主様の事ばかり考えるようになってしまいました。

　私は確かに男は獣だと言っておりましたが、主様は違うのだと、それだけは分かりました」

「興味本位で聞くが、仮にお前と俺の間に子をなしたとして、生まれてくる子の種族は何になる ？」

「ドラゴンと天使の力を併せ持ち、２つの種族を統べる事が可能な稀有なる者が高い確率で生まれるものと思います。ドラゴンの姿をしていたとしても、人の姿に变化した時はおそらく天使になっているかと思います」

「なるほどな。屋敷の中にいる女性達にまずは会わねばならないな。皆がいる所に案内してくれ」

　そうしてヒナタに案内され、屋敷に入っていくのであった。