第363話 残り3つ

 残り3つと思われるダンジョンの探索を完了するのに、大して時間を必要としなかった。


 既に現れた3つのダンジョンから、他のダンジョンの位置については概ねではあるが、予測できていた。


 その為、各ダンジョンを探すのに1時間も掛からなかった。3班に分けた捜索班をおおよその場所に連れて行き、人海戦術で一気に探すのを繰り返したのだ。その結果、ダンジョンを3つ探すのに1日程度で済んでいる。


 さて攻略をどうするかとなり、皆と協議した結果3つ同時に攻略しようという事になった。ダンジョンの難易度から、俺が必ずしも行かなければならないというような難易度ではないからである。


 ただ、収納の関係で地球の出身者を必ず1名は同行させたかった。当然1つは俺が行く。2つ目は裕美だ。テレポートの関係で、セレナはダンジョン攻略へ行かせる訳にはいかない。俺の方で攻略が遅れた場合、残り2つのダンジョンが早く攻略されたとしても、1つが迎えに行けなくなる。迎えがないと不安になるだろう。だが、恐る恐るといった感じに水樹が手を挙げていた。それはプレアデス全体が俺と別行動を取る事を意味する。


 皆で話し合い、同行者を決めていった。裕美の所へはレニスとレーヴェン、俺のところにはホーネットとアルフレッド。そして水樹達の所にはドラゴニュートの精鋭が行く。残りはくじ引きで同行者を決めていった。全員を連れて行く訳にもいかず、残る者とダンジョンに入る者を分けざるを得なくなり、俺のところにはブラックスワンが来る事になった。基本的にパーティー単位で決める。パーティー名を書いた紙で作ったくじを引く感じだった。


 また、パーティー単位で行動を取る為、ブラックオニキスを率いて行く。ナンシーも当然行くので、俺の妻達のリーダーはセレナが務める事になる。普段はナンシーとシェリーで行っているのだ。


 俺の意見で同行者の配分を決めてしまうと、選ばれなかった妻達が不公平になる。その為くじ引きになったのだ。


 攻略メンバーが決まったので早速食料の分配をするのだが、収納を持っている者に食料を託すのが1番だ。幸い俺の収納にはかなりの量が入っているので、まずはそこから配分する。 


収納から食料やアイテム類を順次出しては収納していくのを繰り返した。念の為に1か月分を各々に持たせる。最も1泊程度しかするつもりはないので万が一、2つのダンジョンから攻略班が戻って来ない場合、俺が戻って来ない方のダンジョンに入って攻略に掛かるというような算段をしていた。


 そして残り3つのダンジョンを発見したその当日は、流石に準備期間に充てられ慌ただしく準備を行って行く。また、パーティー別に集まり、打ち合わせをしていく。


 そして翌朝早朝から、3つ同時にダンジョンアタックをする事になったのである。

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