第346話 尋問
俺はワーグナーに戻るとと、捕らえた者の尋問を行った。念の為ワーグナーから離れたボレロに船を出し、技術解析と船内捜索というか、調査を部下に命じた。
尋問だが、先ずは普通に行う。だが、大した事を言わない。奴隷にしていて、嘘を禁止じると伝えてから、命令として回答を求めるも、残念ながら船員は大した事を知らなかった。
船員はボレロに送り込み、船の操り方等を伝えさせる事にする。
1人だけ工作員がいたので尋問するも、その役目は俺の暗殺任務が失敗した場合、工作員を始末する事だった。
そしてその工作員の任務は、自らが乗っている船の最高指揮官を暗殺する事だった。
船に地図があり、それを見て愕然となった。奴らの国はこちらの大陸の数倍の面積だったのだ。
アルヒオーネとヘイラニアの2つで1つの地方扱いで、大陸の扱いですらなかった。
精々日本と朝鮮半島を合わせた程度の面積でしかない。
奴ら側の一般的な認識では、こちらは遠方の小さな島国で、魔石の質が良いらしい。
こちらへは新たな植民地を得る為に派遣されたと。
既に100万人の兵を乗せた船が出ていて、数日以内にこちらに辿り着く予定だ。何故ワーグナーなのかと聞くと、単に最短ルート上にあるというのが答えだった。
それを踏まえ、各地の提督に警戒態勢を取るよう指示し、もしも奴らが来たら報告と、暗殺に最大限の警戒をと伝えた。俺がミスった事は内緒。未遂に終わったと伝えただけだ。刺客が送られ、逃げられたが俺は無事だと。勿論ゲートを出すので、俺が無事な事は直ぐに分かる。
それ以外は大して情報を得られなかった。
但し、地図から地理がある程度分かり、複製を指示した。こちらの持っている地図より詳細なのには驚かされた。
早速地図のコピーに取り掛かるのだが、手書きで写すから大変だったりする。原本は最終的に俺が預かり、各総督に初期の複製を渡す。そこから各地にて複製を作る事になる。こちらもきちんと測量をしないとだが、残念ながら俺には測量のやり方は分からない。
ふと思い、淫魔のダンジョンを出た時のあの場所か?と思いゲートを出し、セレナにゲートポイントを設定して貰った。一旦返してから俺は周辺を飛んで人里を探す。まず高高度まで飛び、都市を探した。
一気に弾道軌道を描くようにして向かったが、1時間位で町に着いた。
驚いた事に町への出入りは規制がないし、町と外を隔てる壁がなかった。
また、ゼロではないが、魔力が希薄だった。
貨幣はよく分からないので、質屋、服屋、道具屋の類を探し、服屋にていくつか服を売り、ある程度の貨幣を得た。
書店があり、地図が売っていたのでいくつか購入する。
それで分ったのが、やはり攻めて来るのがこの国で、首都の位置と距離が分かった。多分2500km程離れている。この大陸はでかい。多分オーストラリア大陸位か。
セレナにこの町へのポイントを設定し、ワーグナーに引き上げた。この国の首都へは明日改めてこの町から、リスタートする事にしたのであった。
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