第336話 上級者居住区の戦い

 先ずはワーグナーにて、戦闘を行う者達でミーティングを行う。皆が戦闘時以外で天界に行くのを反対したからだ。皆が行くのが嫌なのではなく、俺を行かせたくないと。


 なのでミーティングが終わっても、出撃する迄は下界に踏みとどまる。


 準備が整い次第出撃だ。

 準備が整い、人員が集まったので天界に行き居住区への扉を開ける。


 隙間から魔法をどんどん展開して突っ込んでいくと、やはり敵は待ち構えていたようで、魔法にてどんどん倒れていく。

 扉が開ききると、展開したサラマンダー達を突入させた。

 中にはすり抜けて来るのがいたが、すかさずレニス達が倒す。俺は皆を信じているので無防備になってしまうが問題はない。


 驚いた事に死体が天使になっていたが、既に魂は消え失せているのが分かる。先の話を俺だけちゃんと聞いていなかったから、俺だけ驚いている。


 奴らは出現と共に急激に数を増やしたらしい。

 発生源を潰しても数が増える一方だったと。もはやG並だ。


 どうやら、殺した天使を奴らの下僕に変えているらしい。


 数百万は住んでいたと言うので、多分それだけ倒す必要がある。


 俺は大半をサラマンダーで焼き尽くす事にし、天使達の犠牲者を早々に弔う事にした。


 新たな犠牲者が出ない限り、奴らは減る一方な筈だ。


 数が余りに多く、俺達が上級者エリアに入って掃討に入る迄に10日も掛かったのであった。


 その間俺はワーグナーからゲートを開けたままで指揮を取っていた。

サラマンダーもゲートを潜れるから、やはりワーグナーから出している。


 その甲斐もあり、上級エリアへ侵入するまで赤ちゃん返りをする事はなかった。 内部に進んだ関係で天界で過ごすと、ワーグナーに戻った当日か翌日には見事に赤ちゃん返りしていたので、天界で過ごした時間分赤ちゃん返りするというような結論に至った。 その為に妻達と相談したが、赤ちゃん返りしてでも俺が行くべきとなった。皆俺の赤ちゃん返りに付き合うと言う。


 現在の我々の最大戦力が俺の為、仕方がない。


 上級者エリアに入っての初日は気持ちの良いものではなかった。建物が改造されていて使い物にならなかったからだ。


 時折襲われるが、90%以上駆除している。調査結果から建物の再利用は厳しかった。建て直した方が早いのだ。


 なので、建物ごと駆除する事にした。


 一般エリアは日本の倍位の面積があり、数億体がひしめき合っている。しかし、上級者エリアは中国よりも広く、ゆったりとしていた。


 大量のサラマンダーとファイヤーボールを展開し、更地にしていく。メテオ系も考えたが、後処理が大変なので諦めた。

 

 こちら側のエリアを徐々に広げ、敵を排除していく。確保したエリアでアースウォールを使い、陣地を拡げていく。

 かなり根気のいる作業だ。


 敵の排除は順調だった。しかし、最奥の方から救助信号が来た。


 交通手段が壊されていて、直接向かう手だてが無い。俺が飛ぶしかなく、救助信号に対し、敵の数が減ったから対処出来るのだ。


 何となく敵以外の気配が遥か彼方からする。オリヴィアを抱いて飛ぶしかなく、天使達の気配がする方向へ飛んで行くのであった。

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