第319話 淫魔の処遇

 淫魔を一旦連れ帰るのと、このダンジョンになり掛けの場所にちょっとしたトラップを仕掛けた。


 入り口に簡単な落とし穴を仕掛けたのだ。落ちると肥溜めに浸かる感じの地味に嫌なトラップだ。勿論警報が俺に届くようにし、魔王が現れたら即向かう。


 淫魔に聞くと完成は約2週間位先だった。

 なので次に魔王が現れるのはその頃だと予測しているという。


 一端捜索を打ち切って戻る事にした。


 淫魔は自分は一種の使い魔だといい、主人からの魔力を糧に生きる生き物らしい。前のダンジョンでは、ダンジョンを主人とさせられていて、詳しい事は教えられずに過ごしてきたらしい。記憶が曖昧だというのだ。誰があのダンジョンを主人にするように手配をしたのか、記憶にないのだ。淫魔は俺を見ると駆け寄ってきたが、動きがキモい。イチイチくねくねとしているのだ。


「やあご主人様ご機嫌よう!僕と遊ぶ?遊ぼうよ!ご主人様好みの穴を用意したよ!僕の穴に魔力をガンガンぶちこんで、補充しておくれ!前のご主人様から貰った魔力がそろそろ切れるので、今からちょうーだい♪勿論、穴にね!けけけけ」


「お前に命令する。次に許可なく卑猥な事を言いうのを禁ずる。魔力は補充してやるが、体の一部に触れていれば可能だからな。真面目に生きろ。流石に殺さないが、まあ真面目に働けないならピエロにでもなるんだな。勿論誰かを性的に誘うのも駄目だ」


「そんな!殺生な!あっしから卑猥な事を取ったら何も残らないよ!淫魔ってそういうものなのに!ぐすん。魔王ちゃんより酷いよ!」


 この淫魔にはポチと名付けた。

 向こうでの犬によく付けられる名前だと言うと更にいじけていて、さすがに俺でもちょっと悪い事をしたかもと思う位にだ。


 色々な事を尋ねたが、魔王にもあしらわれていて、体の関係に至れなくて悔しかったとか。

 因みにポチには性別はない。両性具有者でもないなどと、よく分からない。


 生殖は他の仲間とまぐわえば身籠るのだと。それも参加者全員が誰か他の者の性的に発生する体液を交換し、遺伝子を貰うというのだ。卑猥な事を言うのを禁止したので、かなり言葉を選んで話しており、結局まどろっこしいので、会話の中で必要な場合に都度許可してやった。

 今までに性的に依存して廃人になった者が多々いるそうだ。奴の手練手管で快楽に溺れるそうだ。


 そういえば何処かの総督が性犯罪が多い地区があり、泣き寝入りする者が多く、犯人がずっと捕まらずに困り果てているという話を聞いた事が有ったな。


「そうだな。お前好みの任務をやるよ。お前はセクシーな美女の姿になれるよな?」


「はい!勿論なれます!ご主人様にご奉仕するのですか!?」


「生憎だが、間に合っている。任務だと言っただろう?お前にうってつけだよ。そうだな、綺麗だが地味な見た目の女になり、夜の街を彷徨って犯されてこい。お前そう言うの好きだろう?で、お前を犯した奴を殺せ!声を掛けられても嫌がって断れ。同意した奴は殺しちゃいかん」


 俺は性犯罪を許すつもりはない。被害者が時に自殺をするからだ。


「良いのですか?勿論やられてきまぷ♪。で、どんなふうに殺すかご指示はありまぷ?」


「性犯罪をしたと認定した途端に、まず修羅のごとく恐ろしい面になり、その男の男性のシンボルを喰い千切って・・・」


 ポチはノリノリで、時々そういう性犯罪の報告があったエリアにポチを派遣し、犯罪者を抹殺していく事にした。ご褒美として、嫌がる奴になら罰として掘っても良いとも伝えた。だが、妻達には伝えなかった。俺がこんな奴を手駒にしているとは知られたくはなかったからだ。

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