第3章

第300話 進撃開始

 3日間休息日とし、今日から進軍をスタートする。

 まずはアルヒオーネ大陸にて有人の町を目指す。現地人と接触し、情報収集が最優先だ。


 また、既に開始しているが、主だった無人となった町にある金目の物の回収は数日で終わりそうな感じだ。休息日と言っても、調査回収する町へゲートにて兵達を送り込み、夕方になるとゲートで引き上げるのを行っていたから、完全なオフではない。


 城の方はルシテルやメイベル達王族出身者が調査をしている。その中で問題になり始めたのは、食料が駄目になりつつあるという事だ。日持ちして大丈夫な穀物やイモ類は回収したが、野菜類は駄目だった。店で並んでいる新品の衣服も回収し、盗賊が来ても民家を漁るくらいしか物を回収出来なくしている。


 服や武器防具店からも主だった商品や道具類は回収していた。領主の館等からも金目の物は回収していっている。


 今日はいくつかに分かれての行動だ。

 俺がオリヴィアと2人で飛び回り、別の方面はセレナを含めた戦闘系を中心にして馬車で進む。

 そんな感じで無人の町を見付けてはワーグナーから兵を派遣し、金目の物等は俺が回収するので、回収する物は一箇所に集めて貰っている。


 地球人はセレナ以外は置いてきている。SLの開発及び製造、学校の設立をしたいというので、叩き台を作り上げたり、うろ覚えの科学や技術の伝達や製品の開発に着手したりと、大忙しだった。セチア達非戦闘要員の一部は各地方の連絡役等、各自の役割が決まっていた。有り難い事に俺がするのは大まかな指示だけで、細かい事は自ら考え、調整役も決められていたりする。


 そうやって俺達は先へと進むが、俺は調査や回収している各町から何かある度に呼ばれているので、セレナ達とそんなに変わらない調査速度となっていた。俺はオリヴィアを連れているので飛ぶ速度は概ね時速70km程度だ。


 裕美達は戦闘力はかなりあるが、元々の性格が戦闘に向かない。その為技術伝達を行っている。


 そうしていると時折特殊な武器等が回収されてくる。中には国宝級の武器もあり、そういった物は皇帝宮で保管する事とした。


 2日間は生きている者と遭遇しなかったが、3日目にようやく現れた!

 セレナ達が遭遇したのだ。一旦レニスとレーヴェンが一団の相手をし、セレナが念話で伝えてきたので城で落ち合い、少し手前に連れていって貰った。


 俺はオリヴィアを抱き上げて飛んで行き、ライトを背中に発現させながら、上空からレニス達のいる所に降り立った。相手側は物凄く驚き、アリゾナは俺に恭しく片膝をついて説明をし、俺が一団を率いている者だという事を相手側に知らしめた。


 相手は兵士約3000名を率いていた。

 隊長が出てきたので俺が相手をする。


 まず相手の隊長にギルドカードを投げて、俺がSSSランクの冒険者であると伝え、情報交換を行った。

 向こうは人の行き来や物資の行き来が止まった隣国を調査に来たと。


 俺達が隣の大陸から調査目的で来ている等、大まかな説明をすると、彼らが目指していた町へゲートを出し、無人である事を目で見て貰った。


 部下の何人かが見知った町だったので、本当の事だと理解出来たようで、その後、俺の本当の立場を明かした。調査隊が来た町へ戻る事となったが、町を確認している間に教えられた方面に飛び、国境を超えて隣の国の言われた町の付近に着いた。

 そこから一旦レニス達のいる町に戻っていくのであった。

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