第289話 セレーシャを人へ
セレーシャにカメラやスマホ、もとい、2001年じゃ携帯か?それらが収納にないか確認して貰うと、収納にデジカメがあった。
しかし悲しいかな電池切れだった。
次ぎに裕美に聞くと、電池の残量が僅かにあるデジカメがあった。
カメラの画像を確認すると、そこには裕美とセレーシャが崩壊する直前のビルの中で、仲良く写っているツーショット写真があった。その時はこの後何が起こるのか知らなかっただろう。おかげでセレーシャの背丈や顔つきが分かったのだが、悲しいかなまな板だった。・・・
そこは口に出さないが、最終確認としてこれからスリープで眠らせ、体を切り刻む事、1度命を落とす事も怖くないと言い了承していた。そして服などが準備されている事を確認し 、念の為に収納にある中身を全て出させた。これは人間に戻った時に万が一収納が消えてしまった時も対処できるようにする為である。そうしてセレーシャは裕美に一旦逝ってきますと言い、俺は彼女にスリープを掛けた。
俺は眠った事を確認し、次にライトソードで腕を切断した。これだと切断面は瞬時に焼かれ、血が出ないからだ。
次ぎに苦しまないように一気に首を刎ねた。
不安がると思うので詳細な手順については正しく伝えなかった。
念の為、裕美と同じ順で行う事にした為だ。つまり肉体を人間の体に再生させるのは死後に行なう。まず外皮を剥ぎ、肉のみを取り出す・・・先に体を作る事をしないから、伝えられなかった。
セレーシャの、つまりミノタウロスの体は裕美が収納に入れた。
そしてデジカメの画像を見ながら肉体を再生させるべく欠損修復を行う。
すると狙い通り人間の体が出来上がってきた。
途中で止めて腕を半分に切断した。
一方を裕美の収納にいれ、どんどん再生する。そして体が出来上がった。
「なあ、これどうする?こんなだったか?」
「うんそうなの。ねえ大きく出来ない?彼女はずっコンプレックスだったのよ」
「どれ位が良さそうだ!?」
「そうねえ、志郎の好みと言いたいけど、私のじゃあ明らか様だから、シェリーのでどう!?」
「分かった。とてもではないが俺には出来ないから、悪いが切り取って直ぐに燃やしてくれ。俺には女の体を切り刻めない」
そうして裕美がほぼ完成したセレーシャの体を切り裂き、もう一度シェリーの胸をイメージして再建した。そうすると見事な大きさに成長した。
「よし、じゃあ嘘つきさんか確かめて見るか?」
「もう意地悪ね。じゃあ服を着せておくね。こっちもお願いね」
「分かったけど、もうちょっと服を着せるのは待って。見本がある方が再生しやすいから。それと本気でそれを着せるのか!?彼女は写真もそうだが、顔つきも清純なイメージの女性だぞ!?それはどう見ても場末のストリートにいる商売女に見えるぞ。しかも全て淫魔のダンジョンのドロップだろう!?」
「ふふふ。私からのちょっとしたご褒美よ。勿論、し・ろ・う・へ・のね!好きでしょ!?この清楚な顔でこの格好を脱がすの!?」
「ぶふっ!。確かにギャップ萌はあるが、彼女には彼女の人生があるんだ。必ずしも俺と一緒になるとは限らないよ」
「いえ、彼女は既に貴方を選んでいるのよ。ちゃんと1人の女性として見てあげて。それはともかく、彼女の真っ赤になる姿は見ものだわ。あっ!こっちも完成ね。じゃあこっちはまともなのを着せましょうね!」
「よし、体は大丈夫そうだな。じゃあこの先は寝室に行くよ。俺を担いでいくのは大変だろう?でも距離的に行ける筈だよ」
そうして俺は寝間着に着替え、死者蘇生を行ったが、やはりいつもの様に意識を手放したのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます