第73話 ニーベルング

 俺は4人にスキルと隷属契約について話していった。


「まず確認をするけど、君達4人は俺のお嫁さん候補になるって事で良いのかな?」

 4人が頷く。よっしゃー。一般人の初物4人ご予約だ!しかしそんな素振りは見せない。


「分かった。その上で提案なんだけど、俺のスキルの中に隷属契約があってね…」


 そう言っている最中にリギアが手を挙げたので、頷き話しを中断した。


「遮って申し訳ありません。既にシェリー様に主従契約の事は聞いておりまして、契約をお願いしたいんです。それに既にランスロット様の事を皆が受け入れていますし、勇者様で有る事を聞いています。昨日の食事の時から、いや、ギルドでナンシー様を庇ったのを見た瞬間から皆ランスロット様をお慕い申し上げております。

 私達4人全員が今生きているのはランスロット様のお陰です。既に身も心もランスロット様の物です。皆惚れてしまったんです。ですからランスロット様にエッチな事をされても大丈夫です。むしろ望んでおります。メチャクチャにしてください!子を産ませてください!」


 うーん可愛いから良いけど、困ったな。皆俺に惚れたって事か。リギアは暴走癖があるな。俺もメチャクチャにしてやりたい。でも子供と年が変わらないんだよな。いかんいかん。真面目な話をするんだった。彼女達も何故か焦っているのかな?


 あれ?子供と同じ年?俺に子供なんている訳がない。それに俺は18歳だぞ!トリシア達は15歳位だろうに、そんな子供なんている訳がないのに、変だな。まあいい。


「わかった。体の関係は正式に奥さんになるまでお預けね。それじゃあ別の提案をするね。契約の後、一旦レベルリセットをして、一からレベルを上げて貰いたい。多分ダンジョンだと数時間で今の数倍のステータスを得られる。

 それとレフトアイには実行したが、スキルを付与したい。正直かなり恥ずかしい。しかしとんでもないスキルを大事な女性に持っていて貰いたい。それはオーガの持っている肉体再生だ。詳しくはレフトアイに聞けば分かる。それと俺の隷属契約は、お互い半径100m以内に居れば経験値は全体から人数割りだから、パワーレベリングが可能だ。8人の縛りがないんだ」


 皆は頷いた。


「次の目標はダンジョン攻略。あのダンジョンの放置は危険だからね。2日後から潜りたいんだ。皆の予定は?リギア達はパワーレベリングを兼ねてね!途中までは俺が命に代えてでも、君達の事を守るさ!」


 そうすると皆さん特に予定がないと言う。ナンシーは俺達がダンジョンに潜るなら同行すると。問題ないな。


 それとリギア達は宿屋暮らしだと言う。屋敷に来るように提案すると了承した。但し今はまだ俺との関係は試用期間の為、冒険者兼屋敷のお手伝いと言う事で4人で一部屋とナンシーが言う。


 まあホテルの部屋より広いし、あの子達の泊まっている所はお風呂も無いそうだから、グレードアップだよな?。


 一部屋になれるのはA級冒険者として世間一般から一人前と認められる様になり、俺の役に立つと認めてからだと。ナンシーは厳しいな。


 今日は買い物とギルドで換金。

 その前にニーベルングとの刻印の儀式が先か。


 換金と報告はナンシーに任せておこう。

 驚いた事にリギア達ブラックスワンは初心者ダンジョンに行っていなかった。その為に明日行く事になった。既に冒険者としてやっているので、俺の同行は不要だろう。レベルリセットを行うから丁度良いな。


 それとこの世界は結婚式とかがない。お互いに結婚したと周りに宣言してしまえば婚姻関係が認められるんだって。


 と言う事でナンシーが正妻で、シェリーが第二夫人で大丈夫とか。

 そう言う事でナンシーと正式に結婚しちゃいます。二人目の妻なんだけど、一人目は顔も名前も忘れた。まあいっか。もう一度会う事は出来ないし。それはそれで悲しい筈なのだけど、顔も名前も思い出せない。ただ、事実として知っているだけだ。


 シェリーは第一奴隷の引継ぎを誰にするか見極めてからかな。


 今日は昼から家具屋に行く事にした。

 シェリーに後は任せて、リギア達の普段着と靴屋で採寸と冒険者用の靴の購入と指示をして一旦解散となった。


 ニーベルングの儀式がまだだった。

 リギア達が出掛けていった後で儀式を始める。

 ナンシーにお願いをして、玄関で服を脱がせてから風呂場に連れていって貰う。

 買って置いた水着に着替えて風呂場に来ている。

 丁寧に背中を洗ってあげると嬉しそうにしていた。この後刻印の儀を始めるから最早水着はいらないのだけれども、既にクレア達にしているから、同じようにするしかないんだよね。本当の事を言うと、刻印の儀は先送りしたかった。デートさえしていないからだ。だが、数年間奴隷として過ごした者には、主人に刻印を刻んで貰い、寵愛を貰う事が長生きするのにひっすだと教えられ、魂にさえ刻まれているので、やらないと発狂しかねないから、彼女達の心の安寧の為に必要だからだ。


 だからトリシア達には直にはやらないのだ。


 後の清めの儀式はお任せした、風呂を上がると5人掛かりで拭かれました。


 息子は自分でしたかったけど、大きく育っているのをまじまじと見られるのは快感じゃなくて恥ずかしいから。


 一旦部屋に行き、着替えてからニーベルングの所に向かう。お姫様抱っこで俺の部屋に連れて行く。いつの間にかそういう決まりになっていた。


 そして勇者による刻印の儀式を執り行った。


 疲れて居るのだろう。やがて隣にいる彼女は寝息を立てており、俺も寝顔を見とれていたら眠りに落ちていった。


 昼頃になり目覚めた。

 ニーベルングは既に目覚めていて、俺の寝顔を見ていた。おはようとにこやかに言うので、俺もおはようと返した。


「刻印の儀式ありがとうございます」


 優雅にお礼を言われた。お礼を言われたが、むしろこちらが言いたい位なんだけどね。


 無事に勇者による刻印の儀式を完了させると居場所が前よりはっきり分かる。不思議な感じだ。


 お昼を食べる為に一緒に食堂に行き、家に残っているメンバー全員で食事とした。


 ニーベルングはまだ体力が消耗しきった状態なので、部屋で休ませる事にして、俺は着替えてから家具屋に向かったのであった。

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