第57話 デートをしよう!
明日の予定を考えていた。新入り4人をギルドに連れて行き、冒険者登録をするのが最優先だ。
今後の事を考えると冒険者登録は必要になるが、その辺りの計画を含め、4人の事は基本的にシェリーに任せる事にした。
明日はギルドに行くので、4人の手続きは取り敢えずナンシーに任せる。
俺は今日はこの後は鍛冶屋に行ったり、服屋に完成した服を取りに行きたい。
今日の夜は4人に俺の家族になった事のお礼と、家を手に入れたお祝いに出前を手配している。
と言うよりも正確にはレストランのシェフを呼んでおり、7人分の料理を作って貰う事にした。
俺は料理が殆ど出来ない。バーベキューは別だが、単身赴任の時は大抵弁当を買って食べていた。?単身赴任?単身赴任って結婚している者の転勤絡みだよな?独身の俺というか、大学に進んだばかりの俺はその時の彼女に作ってもらってたっけ?あれ?思い出せない。まあいいか。絶対に会えない別れた女の事はどうでも良い。今はこの6人との生活を考えなければならない。
少し時間があるのでシェリーを呼び、彼女の愛用のジェネラルのエストックにオーガの魔石で強化を行った。
1発で成功!エストック+8となる!
ミスリルのエストック。 硬さと威力が80%アップ。 80%の確率で睡眠を与える。俺はシェリーにドヤ顔をしていた!
かなり凄い。シェリーに使って欲しいと渡すとその性能にかなり驚いていた。
「有難うございます。大事に使いますね!」
抱き付かれて感謝をされた。
他にもダガーに強化を行う。4人へ渡す当面の予備の武器とする分を強化していた。
キングから貰った武器はミスリルで出来た聖属性のブロードソードだった。
特殊効果は通常の武器では切れない者達を切り裂くだった。
また、込めた魔力によりその力が増し、使用者の魔力上限の上昇と供に成長する。例え折れても自己修復を行う等とかなりのチートアイテムだ。
シェリーに俺の状態を見ていて貰い、先日の刀の事もあるので、いざとなったら俺の手から剣を捥ぎ取って欲しいとお願いした。そして魔力を注ぎ込む。
一気に魔力を持っていかれ、半分位吸われた辺りで漸く止まった。キングから貰った剣は神々しく輝いていた。
取りあえず当面の俺のメインウエポンかな。でも、フレデリカ辺りに持たせるのが良いかもだな。既に俺はアンタレスを持っている。
シェリーに明日は2人でデートをしようと誘う。
驚いていたが、黙って頷く。時間を指定して待ち合わせ場所を決める。
屋敷を一緒に出るのではなく、待ち合わせをする方がデートって感じがするからだ。
俺は先に出て4人をギルドに連れて行き、ナンシーに預けてから向かう事にした。
明日シェリーにも刻印の儀式を行う事を伝え、シェリーの了承を得た。この決断はこの後俺を苦しめる事になる。刻印者がどうなるのかを知らなかったからだ。知っていれば3年はしなかっただろう。
俺はシェリーに4人の事をお願いし、いつもの武器屋に出掛ける事にした。
その前に先ずはギルドに行きナンシーに会う。
「ギルド服有難う」
早速新しい服を着ており、嬉しそうに一回転して見せてくれた。
スカートがミニから普通のサイズになり、安心して見ていられるようになった。俺のパンティーは確実に守られる!
元々人気ナンバーワンの受付嬢であるが、サイズの合う服になったので格好良く見え、更に魅力が加わった。スカートは素材が柔らかく、履き心地の良い生地に替えてもらっている。快適度が段違いだそうだ。まあ、その分値が張ったのだが。
そして何か俺にプレゼントしてくれた。素敵なラッピングで、青い袋にリボンで結んでいる。
早速開けたが、おしゃれな服だった。センスが良い。ナンシーとのデートで着ると決めた。
明日の事をお願いする。4人のパーティー登録をし、ブラックオニキスに入れておくのと、お金は払っておくので防具屋で4人の鎧を調整してから受け取るようにと。
それと、昼食をどこかで食べさせ、屋敷に連れてきて貰った後は、掃除等をさせておいてとお願いした。
先日話していた初心者講習が2日後に有るというので、参加手続きもお願いする。
それと休みを聞くと、2日後と3日後なら取れるという。
じゃあ2人きりでデートをしようと、その日は刻印の儀式を行いたいのと、それに伴い屋敷に泊まって欲しいと伝えた。
ナンシーは驚いていたが、嬉しそうに泣きながら了承と伝えてきた。待ち合わせの場所と時間を決める。
ギルドを後にし、武器屋で4人の武器をいくつか買った。次に防具屋にて女性用の皮鎧を見繕い、明日調整に4人が来る旨を伝えお金を払った。
次は野営の為のテントを3帳買い、寝具を扱っている店にて寝具を7人分買ってしまった。
これで野営が劇的に変わる。
温い野営になってしまうが構わないだろうか?
最後は鍛冶屋だ。店の親父は毒づいた。
「何だ今日は野郎1人か。この前の綺麗なねえちゃんは連れてこなかったのか?」
意外だった。寡黙なおっさんと思っていたのだけどが。
「別の用事をお願いしたんだ」
「そうか。ほれ、出来ているぞ」
鞘に納まった刀を投げて寄越してきた。
ずっしりとした重さ。柄はしっくり来る。鞘から刀を抜くと、急に手に馴染んで来たが、シンプルで握りやすかった。
「凄いな。これは良いな」
俺の感想に親父は満足そうに頷き、手でしっしと俺を追い払った。
「サンキュー又来るよ」
「次はちゃんと女連れでこいよ」
俺は片手を挙げ了解の意を伝えた。
買い物を済ませて家に帰る。何故か4人がホールで俺を出迎える為に集まっている事が判った。
実際は家に帰ると6人が迎えてくれていた。既にナンシーも仕事を終え、屋敷に来ていた。お祝いをするからと食事をしに来て欲しいと呼んでいたからだ。
4人はメイド服だった。
まだ準備中だったので、先にお風呂に入った。シェリーとフレデリカがお風呂で俺の世話をした。
他の者は馬の世話や屋敷の掃除、荷物の片付けを行っている。俺のお風呂のお世話は背中を洗う事と、体の拭き取りである。固定でやるのでは無く、皆で交代で当番をする事になるのだとか。
貴族のメイドが主人の体を洗ったり、着替えも手伝うあれであるが、断っている。妥協して背中と頭だけとした。
大人になってからパンツを穿かせて貰うってどうよ?この世界の貴族は当たり前のようにメイドにさせているが、俺には恥ずかし過ぎて無理だ。
夕食の準備が出来たので皆席に着く。4人は遠慮しようとしたが、今日は4人が主賓であり、刻印という絆と家族を得た事を祝う席の為、有無を言わせない。
シェフが腕を振るって作ってくれたコース料理が順次出されていく。家族で食べる食事は別格の美味しさだった。
やがて楽しい食事も終わり、就寝時間となる。シェフが帰った後ナンシー以外の全員で打合せをする。ナンシーは今日はもう帰って行った。
まだ4人は体力が弱っているので、無理をしないようにと。明日はギルドに行き、ナンシーからの指示に従う事、俺とシェリーが終日別行動の為、夕食を自分達で作って食べるようにと。また、家の掃除等を皆で行っていくよう指示をした。
そして大事な事を話した。今は全てとは言わないが、己の本来の年齢をちゃんと分かっている。俺が45歳であり、18才に若返って異世界から転移した事、ギフトがとんでもない事等と、俺の事を伝えた。皆には、自分達が奴隷と言う事は隠すように指示をした。
俺の事は、屋敷の中や俺達のみの時は呼び方は任せるが、人前ではランスかランスロット様、ランスロットなどと呼び、ご主人様と言われる事を俺が嫌だからとお願いした。
それと今日だけは俺は1人で寝たいと伝えた。まあ恐らく最初で最後だろうけど。
そんなこんなで解散となり、全員がキスをおねだりしてきたので、おやすみのキスをしてから寝室にて1人で休む事にした。因みにこれがこの4人のファーストキスだったのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます