第15話 謁見当日

国王陛下に魔王のことをお伝えする日が来た

少々不安だががんばろう

「お~いデクス~ そろそろ行くぞ~」

父上にドア越しで呼ばれた

急がないと

「はい父上今行きます!」



馬車に乗って5分後

もう王城についてしまった

王国内でも王城に近めの場所に屋敷があったらしい


門番らしき人が近づいてきた

「ドルフ・ルガツカヤ様とデクス・ルガツカヤ様ですね

謁見の許可が出ております

こちらへどうぞ」

許可願いは初礼拝の儀の日の夜早馬で届けていたらしい



謁見はすぐに始まった

「久しいなドルフ、要件の詳細が書かれておらんかったが何があった?

隣国の様子の報告の時は要件を書くだろう」


「実は、我が息子デクスが魔王が復活するという天啓を受けたと」

「何っ!! 魔王復活だと⁉」

「デクス、ステータスを見せろ 証拠になる」

父上が小声で言ってきたので見せる

「[ステータスオープン]」

まず、〔スキル〕の欄の〔天啓〕のスキルに指をさして

「ここに書かれている通り、僕は〔天啓〕のスキルを持っています」

次に、称号の【英雄候補】を指さして

「それとこの称号【英雄候補】

これは僕に魔王を倒せという使命が

与えられたということだと思います」


国王陛下は頭を抱えている様子だ

「そうか...ついに魔王が封印を破るということか...

実は魔王の封印は完璧には成功しなかったと

3代目英雄が死の間際に言い残したという記録が残っていたのだ」


それは初耳だな

神は成功したといっていたが


「具体的な時期はわかるか?」

「デクスより、十数年後と聞きました」

「そうか...十数年か...」



「それと陛下に頼みたいことがあるのですが」

「なんだ?この件に関係することか?」


「はい、デクスは英雄になるため強くならねばなりません

デクスにはすべての属性魔法の適正がありました

ですから“世界最高の魔女”に魔法を教えてほしいと思ったのです

陛下、 世界最高の魔女 がどこにいるのか教えていただけませんか」


「そんなことか、良いぞ

おい、グレリー、案内してやりなさい」

「かしこまりました、陛下」


「他にはないか?」

「はい、ございません」

「あの、陛下 僕からも一ついいでしょうか?」


「なんだ?申してみよ」

「聖剣の在処を知っていませんか?」

「聖剣か...宝物庫にあったような気もするが

もしあったなら持っていくがよい」

あまり期待できそうにないな


「グレリー、宝物庫にも案内してやりなさい」

「かしこまりました」

「他には何かあるか?」

「はいもう大丈夫です」


「ならば、おぬしに命じる

デクス=ルガツカヤよ

復活する魔王レトリアルを打ち倒せ」

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