第12話 猫耳の少女

「おっ見えてきたな

デクス あの町がケット領の領主邸のある町だ」

あの町が…なんか平和そうな町だな



「よく来たなドルフ

できればもう少し早く連絡が欲しかったよ 準備が大変だった」

きれいな白髪で猫耳が生えている男性だ ノベルトさんだろう

確か朝、通信板で連絡したんだったか

「悪いな 王都に行くのは昨日決まってここに来るのは朝思い立ったのだ」


「昨日?何かあったのかい?」

「悪いがおまえにも教えられないようなことなんだ」

「そうか、なら仕方がないか 入ってくれよ」


客間に案内された

ルベルさんとティルシアは外で馬の様子を見ている


「少し待ってて、娘を呼んでくる」


「待たせたね ほら、エミラおいで」

ノベルトさんの後ろに僕と同じくらいの年と思われる女の子がいた

もちろん白髪で猫耳が生えている

そして凄くかわいい

もともと前世からケモ耳白髪のキャラ大好きだったんだ


「おぉ可愛い娘だなデク...ってお前のそんな顔初めて見たぞ

そんなに気に入ったか?」

父上がからかうように聞いてきた

そんなに顔に出ていたのだろうか

「エミラもどうしたいつも以上に緊張していないか?」

「そっそんなことないだす あっ…です」

あっ噛んだ かわいい

「噛んでるじゃないかエミラ 説得力がないぞ

ほら自己紹介しなさい」


「エミラルト・ケットです

そのままだと呼びづらいと思うので、エミラって呼んでください

えっと…よっ、よろしくお願いします」

「デクス・ルガツカヤだよ

よろしくね」


「この様子だと大丈夫そうだね、ドルフ」

「そうだな あの約束果たせそうで何よりだ」

ん? 約束?


「父上、約束とは?」

「あぁ、学生の頃した『いつかお互いの子を結婚させよう』って約束だ」

「まぁ僕が猫獣人だから第一子や二子はやめようってなったんだよね」

エミラが真っ赤になって何も言えなくなっている かわいいな


「かわいくて、いい娘そうだから僕も結婚したいと思いました

でも、父上 あれが問題です」

「あぁあれか …そうだなやはり話すか」


「僕から話します

まずはこれを見てください

[ステータスオープン]」

出てきたステータスの称号の欄を指さして言う


「ここに書かれてるように僕は魔王レトリアルを倒す英雄となることになっています」

「魔王レトリアルだって‼ 奴は封印されているはずだろう」

「はい、ですが十数年後にその封印が破られると神様に聞きました」

「そうなのか…」

「ですから僕と婚約というのはちょっと…」



「あのっ、私にその魔王との戦いのサポートをさせてもらえませんか?」

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