第86話 小説を書くしかない環境

 小学四年生の息子に勉強ばかりさせている親・藤光です。


 個人的には勉強など適当でいいと考えるタイプのわたしですが、奥さんが勉強させるんです。塾にも通わせるんですよ……。


 どうでもいいのに……と考える一方で、小学校、中学校と自分から勉強する習慣が全くなかったわたしは、高校に入ると落ちこぼれたので「勉強する習慣をつけるのは悪くないかなあ」と思って息子に付き合っています。


 週末は、近くの図書館は行って学校と塾の宿題を片付けています。


 家にいると、テレビ、ゲーム、おもちゃ……に気を取られて、なかなか宿題が捗らない息子。どんどん奥さんの機嫌が悪くなり、家の空気が不穏になってゆくため、居心地の悪い家から脱出するのです(汗


 図書館にはテレビもゲームのないので、息子は宿題をするしかありません。家でやるより、何倍も早く片付きますし、分からないところはわたしが教えてあげます。


 家でやってると、奥さんがわからない問題を分かるまでやらせるという「無理ゲー」を息子に強いるのですが、わたしはそんな無茶を言わないので、図書館で勉強すると比較的スムーズに宿題を終えることができるのがメリットです。


 ほかにすることがない環境を求めて、図書館で勉強している人多いですね。さすがに小学生は息子しかいませんが、中学生、高校生のグループをよく見かけます。


「エライ!」


 自分から進んで勉強するしかない環境を作るだなんて、学生の鏡だ。ぜひ賢くなっていい大学に入ってほしい。


 ウチの息子もできればいい学校に入ってほしいけれど……、塾に通ってきてる子たちは息子とは別次元に賢いらしく、塾内のテスト結果は月とスッポンです。いい学校に入るのは、こういう子たちなんだなあと感心しました。


 図書館では、わたしも小説の続きを書こうと思って行くのですが、ぐたっと脱力してやる気のない息子の尻を叩いたり、問題の答え合わせをしてあげたりしていると、ぜんぜん小説を書く時間が作れません。


 休日には書けない……。


 結局、通勤電車のなかでスマホに向かってぽちぽち文章を作ることになるわけで……週末はぜんぜん捗らない藤光でした。そういや駅のホームや通勤電車のなかって、「ほかにすることのない環境」なのかも。わたしは文章を打つのが捗るんですよね〜。





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