第42話 さいきん、わくわくしたこと

 子どもの頃、『宇宙戦艦ヤマト』に夢中になって以来のSF好きです。(『ヤマト』っても分かんないよな~)


『ヤマト』が好きということからも分かるように、ハードSF――


 比較的がっつりと科学的考証が盛り込まれているSFの分野。SFファンのなかには、ハードSFを評価してライトな「なんちゃってSF」のことを馬鹿にする風潮がある。「ハイ・ファンタジー」ファンが、いわゆる「異世界ファンタジー」を馬鹿にしているのと似ている。


はよく分からないので、SF好きとはいいながらSFはあまり読まなくなっています。ところがこのあいだ本屋さんに行ったときに、とても心惹かれるSFがあったのでそのことを書きます。



『SFが読みたい』という本があるんですけどね(わたしは読んだことないんですけど。笑)。日本SFの元締めのような早川書房が出版しているSFのガイドブックです。毎年刊行されてて、前年のベストSF――国内篇と海外篇――が紹介されているらしいです。


 そのときの本屋さん―ま、ジュンク堂なんですけど――には「SFが読みたい 2022年第〇位!!」ていうアオリの書架があって、ずらりとSFが並べられていました。国内篇第一位は『異常論文』、海外篇第一位は『三体Ⅲ』だったのですが……どちらもハードなSFファンが選びそうな本で、わたしの気持ちは動きませんでした(もっとも『三体Ⅰ』は傑作でしたけどね)。


 ところが海外篇第二位の本に、わたしの心はがっちり掴まれました。ライトグリーンの装丁が施された文庫本のデザインはこれまでに見たことがありません。SFの本っぽくない。ハヤカワの本は、内容は前衛的でも装丁は保守的な作りだったので、とても「新しく」感じました。


 ――これはおもしろそう!


「ジャケ買い」ってやつですね。いまどき(笑)


『時の子供たち(上・下)』(エイドリアン・チャイコフスキー 竹書房文庫) 


 おもしろそうって思ったらそのときが買い時です。

 それに「竹書房文庫」ってのも面白い。ぜんぜん知りませんでした、竹書房がSFを出しているなんて。竹書房って、アングラで実録系、エロス&バイオレンスのイメージしかなかったので、まさかSFとは……。びっくりしすぎて、竹書房文庫の棚へ行ってほかにどんな本を出しているのか確認しに行きましたもん。


 竹書房文庫。SF、ミステリ、ファンタジー……いろいろ出しているんですね。ぜんぜん知りませんでした。面白そう。本の装丁もレーベル内でまったくコンセプトを共有しない、一冊一冊が立ったデザイン。すごく面白い。アクの強いデザインもあるけれど、挑戦的ですごくいい。おもしろいのを見つけた~と最近ごきげんな藤光でした。


 わくわくしながらする読書が最高ですよね。


『時の子供たち』。ハードSFじゃなさそうなので、わたしでも楽しめそうです。まださわりしか読んでませんが、蜘蛛が文明を作るお話らしいですよ。どうなることやら。

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