第20話 ブック・オフでの残念

 日曜日のことですが、散髪を終えて昼ご飯まで少し時間があったので、近くのブック・オフへ立ち寄りました。なんかいい古本がないかな~。Switchのゲームソフトも欲しいな~と思っていたからです。


 山ほどフィギュアが陳列されている棚のなかに、ニコ・ロビンやナミのフィギュアを冷やかして歩きます。「この巨乳造形はどう考えてもおかしい狂っている。100年後の人が現在のヲタクセンスをどう評価するのかすごく気になる」なーんてくだらないことを考えながら。


 その直後、わたしは店の隅っこの棚にを見つけました。


 大友克洋『AKIRA』(講談社)


 1982年から1990年にかけて週刊ヤングマガジンに連載されていたSFマンガです。わたしより3つ4つ年上の人たち世代に、どストライクな作品かな。わたしの場合は、1988年に公開された映画『AKIRA』のインパクトが大きいですけどね。大友克洋さんは、漫画の世界で「大友以前/大友以後」と区分されるほど、当時の漫画界に革新的な影響を与えた漫画家さんです。その大友さんの代表作が『AKIRA』。


『AKIRA』の単行本は週刊誌と同じ大判サイズなのでめちゃ大きく、ひと目で「アキラだ!」と分かるほど目立つ本です。ブック・オフにあったので、もちろん古本です。1巻から4巻までありました(全6巻)。奥付を見ると1巻は4刷でしたが、2~4巻は初版本で、小口に目立つ染みのあるかなりくたびれた本でした(30年以上前の本なので当たり前と言えば当たり前)。値段は税込み110円でした。


 いまはちょうど大友克洋全集が書店に並びはじめているタイミングで、わたしのなかでちょっと大友熱が盛り上がっていたいるところでした。『AKIRA』は持っていないし、初版本は汚くても魅力だな~、どうしようかな~、買おうかな~と迷ったのですが


 ――ちょっと考えてみよう。


と日曜日は買わなかったのです。


 ひと晩寝て、月曜日になっても、やっぱりブック・オフの『AKIRA』が気になるっと、その日仕事が終わってからブック・オフを訪れたのですが……わたしが迷っている一日のうちに『AKIRA』の古本は棚からなくなっていました。


 ――あー遅かったっっっっ!


 ひさしぶりにモノが買えなくて頭を抱えました(笑

 古本って、いわば一点ものなので、一度機会を逃したら同じものと出会えることはまずありませんからね。うーん、残念。


 つぎの日、書店のマンガの棚で『AKIRA』を探すと、あるんですけどね大判のコミック。超ロングセラーなことに感心しましたが、本の値段を見てがっくり。1500円(税込1650円)でした。。。日曜日は110円、四冊でも440円だったのになあ。15倍もするのかよ~、残念。

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