第12話 2月19日

 え? 今日の会話の時間は3分も無かったんだけど。

 ごはんを温めてくれてた。ありがとう。

 

 でもやっぱり約束が違うような気がする。そもそも約束したこと覚えてるのかな?

 お互い休みの日はパートナーに対して話す時間を作ろうと言ったじゃないですか。今日は君が休みだったではないですか。


 はっきり言って妻が憎い。なんでそんな簡単な約束を守れないのだろう。

 一日24時間のうち、たったの30分でいいんだけど。

 それすら守れないとは。明日が早いから寝るんですか?

 娘のためですから。それも仕方ないでしょう。

 でも俺は昨日君が帰ってくるのをずっと待っていたんですが。

 君は帰ってきたらすぐに寝室に行ってしまいました。でも土日は休みでしょ?

 疲れてるのは分かるけど、なんでパートナーのために時間を作る努力をしない?

 俺はしてるぞ……と俺のことだけ考えていても仕方ないのだ。相手を憎んでいても始まらんのだ。

 憎いと思えるうちはまだ華なのだ。

 好きの反対は無関心。俺の今の気持ちは憎悪なのだ。

 つまり裏を返せば妻が好きということなんだ。


 妻は家族。だが最も近い【他人】でしかない。

 相手を変えることなど俺には出来ない。

 ならどうすればいいのだろう。

 答えは簡単だ。自分が変わればいい。

 納得出来るか出来ないかは俺の感情に過ぎない。

 それよりも今は今後のより良い夫婦関係を構築するためにも妻ともっと会話するため俺が努力すればいいだけだ。


 明日は朝、少しだけ話してみよう。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る