第10話 2月16日
娘が塾で帰りが遅かった。
久しぶりに夫婦だけで夕食を食べた。
娘がラーメンが食べたいって言ってね。シマダヤの生麺買ってきて俺が茹でた。
夕食後、二人で少し話す時間が出来た。
少しだけ突っ込んだ話をした。
俺と君との間にもう体の関係は無くなるだろう。
それでも俺は君と一緒にいたいと思っている。
でもさ、君は気持ちを言葉に出来ない人なんだよね。
だから俺を不安にさせてるのは分かってるのか?
あのさ、俺ね。すっっっっごい怖いんだよ。
セックスは子供を作る行為であり、快楽のための行為でもある。
でもそれよりも大切な意味がある。
愛する人と繋がれているという安心感だ。
俺はそれを失ってしまった。
君が悪いんじゃない。君を責めるつもりはない。
でもさ、体で繋がれなくなったなら、もう心で繋がるしかないじゃないか。
でもさ、俺は神様じゃないの。人が何を考えてるのか言葉にしないと分からないの。
だから言って欲しいんだよ。
君は俺をどう思ってるんだ?
俺は君が好きなんだよ。死ぬまで一緒にいたい。
正直離婚しようか考えていたことも伝えた。
でも、それでも俺は君を選んだ。だから言葉にして欲しいんだよ。
君は俺のことが好きなのか?
妻は恥ずかしそうにしながら言葉にしなかったよ。
昔からそういうの苦手だよね。でもさ、俺を救ってくれるのは君の言葉だけなんだよ。
正直今も苦しんでる。助けて欲しい。
助けられるのは親でもない、娘でもない。
君しかいないんだよ。
君の言葉が聞きたいです。
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