第4話 2月10日

 昨日の話だが妻はかなり遅くに帰ってきた。

 彼女が寝る前に少しだけ話が出来た。

 一話目の感想を頂いたように、俺の気持ちを伝えたうえでハグをしてみる。


 不思議なもので少しだけ胸のつかえが取れた。

 馬鹿だったな。なんでこんな簡単なことが今まで出来なかったのだろう。

 でも俺の不安はほんの少しだけ解消出来たがまだ不安は残る。

 妻の気持ちだ。俺と彼女の間では明らかな温度差があると思う。

 妻は俺といて幸せなのだろうか? 今後も俺と一緒に幸せになりたいと思ってくれているのだろうか? 妻は俺の味方になってくれるだろうか? 

 もし彼女の描く未来に俺が必要でないなら、妻を結婚という束縛から解放してあげるのも一つの選択肢なのかもしれない。


 また一つ昔話を。俺の職場はそれなりに誘惑がある。 

 この15年でとある女性(2名)から付き合って欲しいと告白されたことがある。

 その当時は結婚しており、なにより俺が不倫による恋愛は誰も幸せにはならないという考えがありお断りした。

 しかしもう一人だけ告白に近いというかレイプ紛いのことをされたことがある。

 前後不覚になるほど酔った女性を介抱するはめになり、起きた彼女から襲われかけたのだ。

 理性を振り絞って何とか誘惑をはねのけることが出来たが、俺の黒歴史の一つだ。


 なぜこんなことを書いたかなのだが、妻と出会ってから20年以上、俺は妻を裏切ってはいないことだけ分かって欲しかった。

 

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