第3話 2月9日

 今日俺休み。妻仕事。

 明日は雪だから今日中に明日分の雑務を消化するため残業してくると言った。

 多分今日はかなり遅くなるらしい。

 なので今日は特に書くことはない。


 なので少し俺の気持ちを書いておく。

 別に嫌いだから離婚したいというわけじゃないのさ。

 好きの反対は無関心だというじゃない。

 俺は妻と以前のように楽しく過ごしたいだけなの。

 下らないことで笑ってさ、どうでもいいことで愚痴を言ったりそれを聞いたりしていたいだけなの。

 

 もう妻を愛する女性として一つになれないのは正直ショックだった。

 でもさ、後20年もすれば俺もおじいちゃんになって男性としての機能も無くなるんじゃないの?

 だったらそれが少し早くなっただけなんだろうと諦めた。

 体の関係だけが全てじゃない。心で繋がってればそれでいいよな。


 それにさ、もし俺が妻の立場ならどうかと考えた。

 事故とか病気で生殖機能が無くなったとしよう。 

 もしそうなったら妻は俺に責めるだろうか? 

 多分そんなことはしない。

 なんだかんだ優しい人だから。


 まだ整理しきれてなくてショックから立ち直ってないのは、何も言ってくれずに一方的に行為を断ってきたことなんだろうな。

 俺にしてみりゃ相談して欲しかったってのもある。

 でも言わなかったのは彼女なりに悩んでいたことなんだろうね。 

 夫婦といえど言えないことはあるし、お互いフルタイムで働いている。

 俺も妻もそれなりの役職にあるし、責任だってある。

 どっちが悪いわけじゃない。お互いにコミュニケーションが足りなかったから今の結果がある。


 理性的に考えればどっちが悪いってことは無いんだよな……。

 離婚を考えているとタイトルで書いてあるが、本当はしたくないから書いている。  

 書くことで自分を見直して、現実を受け止め、そしてどう前に進んでいくかを見定めたい。

 財産分与とかも実際にやってみたが、それはあくまで離婚というのが可能性の一つに過ぎないから。

 

 今日は最後に最近思い出す記憶を書いてみる。

 妻の前で感情をむき出しにして泣いた時の思い出だ。

 娘がまだ妻のお腹にいて、実家で出産を迎えるために里帰りすることになった。

 別れ際、新幹線に乗って帰る妻を前に娘を授かってくれてありがとうという感謝の気持ちと、もし妻に何かあったらという不安(出産ってのはやっぱり命がけだからね)。

 その両方の気持ちがごっちゃになって涙が止まらなくなった。

 新幹線を待つお客さんは俺達を見てただろうけど、そんなの気にならなかった。

 とにかく無事でいて欲しかった。

 俺は死んでもいいから妻に娘を無事に産んで欲しかった。

 

 あの頃の気持ちに戻れるように努力しないといけないんだよな。 

 多分お互い夫婦生活が長くなって、嫌な部分が目につくようになった。

 でもそれは夫婦生活を続ける上で乗り越えていかなければいけない壁の一つに過ぎないんだろうね。


 なんだよ、修羅場はないのかよと思う人もいるかもしれない。だとしたらごめんなさい。

 これは俺と妻が幸せになるために書いているものなのです。


 最後にどうでもいいこと書こ。

 PS5の抽選通んねーかなー。

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