五度目の転生は平凡で~元勇者で聖女で大賢者で魔王な私は平凡を求める~

潮風翡翠

五度目の転生

プロローグ 五度目の転生

「(.....え、”また”転生?)」


 妾いや、我?あ、私の方がいいか。

 まぁ私リース(仮)はとある公爵家に生まれたばかりの赤ちゃんだ。

 因みに(仮)というのはリースが私の前世の名前だからだ。

 まぁ、聞いててわかる通り私には前世の記憶があるため、赤ちゃんの時点でこんなにも確固たる自我があるのだ。


 前世の私は魔族や魔物の主である魔王だった。

 最強の魔剣や魔法を使い、自由気ままに敵を倒したりして生きていたらいつの間にか私は魔王と呼ばれていたらしい。


 そんな私は魔王と言えど魔族の身体だったためクソ女神とクソ女神の加護を持っている勇者に倒されてしまった。

 私が女神を嫌っている理由は色々あるがその1つとして、私達魔族や魔物の事を何もしてないのに敵とみなし、皆殺しにしようとしてきたというのが理由である。


 最強の魔王として君臨していた私は先ほども言ったがクソ女神とクソ女神の加護を持った勇者に倒されたはずなのだが、また生まれ変わってしまった。


 何故またなのか?それは魔王となる以前の記憶を私は持っているからだ。

 私の前々世はこの世の叡智を持ち、全ての属性を極めた最強の大賢者だった。

 すべての属性を扱え、自分で魔法も創りこの世の理にも触れる事が出来た私は大賢者といつしか呼ばれていた。


 大賢者のその前、前々々世の記憶すらも私は持っている。

 その人生は私は聖女の資格を持っており、貴族の厄介ごとにことごとく巻き込まれていた。


 そして聖女のその前、前々々々世の記憶も持っている。

 その人生では私はクソ女神によって転移させられた勇者だった。

 これがクソ女神のことを嫌っている理由だ。

 その人生での私は七瀬楓という名前であり、根暗で人見知り、自分で意見を出さないような性格だった。

 そこをクソ女神に目を付けられたのだろう。

 自分で意見を出さない上に私は唯一の妹である椿を人質に取られた。

『この時ばかりは女神って何だっけ?』って思ったが私にそんなことを言い出す勇気などなく、私はクソ女神の言いなりになっていた。

 言いなりになった私は勇者として使われるだけ使われ、そのあとはすぐにクソ女神によって捨てられてしまった。


「.......(そうね、今回の人生は普通に平凡に地味に生きるとしますか)」


 記憶のある人生についてもう一度見た私はそう決心をする。

 なんせ一回目の人生は勇者としてクソ女神の言いなりとして面倒ごとに、二回目の人生も聖女として世界各国をめぐる羽目になり、三回目の人生は大賢者や神の子として祀り上げられ厄介ごとに、四回目の人生は魔王としてクソ女神や勇者と戦ったんだよねぇ.....


 大魔獣退治や邪神にそそのかされた魔法使いの破滅の儀式の阻止、クソ女神の教信者の暴走を止めたり、邪神の消滅、私の面倒ごとは数え切れない程だった。

 文字だけ見ても大変そうなのに、報酬は平均して金貨一枚とクソみたいに少ないものだ。


 勇者としての名声も、聖女としての崇拝も、大賢者として押し付けられた貴族の地位も、魔王としてつけられた称号も私にとってはいらないものも同然、それどころがめんどくさいて要らない物だ。

 嫉妬や欲望の目で見られるので本当に要らないものだった。


「あうあ(だったらとことん平凡に生活すればいいんだよね)」


 二度と前世の様になりたくない私は心にそう硬く決める。

 それと同時にこっちにクソ女神が私を召喚した時からずっとなりたかった冒険者になりたいと思った。


〈ステータス〉─────────────


成人男性(平均値)

体力:1000/1000

魔力:100/100

攻撃力:100

俊敏:100

防御力:100

魔法防御力:100

幸運:100


─────────────────────


 これがこの世界の平均的な能力値となっている。

 ここにスキルや称号などが増えていくのだ。

 冒険者になるには最低でもこのレベルを超えてないといけないと私は考えている。

 それに対しての私の前世のステータスはこうなっている


〈ステータス〉─────────────


リース(魔神)

体力:∞/∞

魔力:∞/∞

攻撃力:∞

俊敏:∞

防御力:∞

魔法防御力:∞

幸運:∞


スキル

全知全能LV.∞、魔法創作LV.∞、万物創造LV.∞、万物超越Lv.∞、万物鑑定LV.∞、神剣術LV.∞、偽装LV.∞、無限治癒LV.∞、無限収納LV.∞、慈愛の心LV.∞、魔神化LV.∞、封印LV.∞、天災LV.∞etc.


称号

異世界人、勇者、復讐を望む存在、大賢者、理を変える存在、聖女、人々の女神、魔王、魔神、神を超越する存在、法則を超越する存在


─────────────────────


 とまぁ、この通り私は普通の冒険者を軽々と超越しているステータスをしている。

 改めて自分のステータスを見るとチートだなぁ.....

 そして今世のステータスはこうなっている


〈ステータス〉─────────────


リース(仮)(人族ヒューマン

体力:∞/∞

魔力:∞/∞

攻撃力:∞

俊敏:∞

防御力:∞

魔法防御力:∞

幸運:∞


スキル

全知全能LV.∞、魔法創作LV.∞、万物創造LV.∞、万物超越Lv.∞、万物鑑定LV.∞、神剣術LV.∞、偽装LV.∞、無限治癒LV.∞、無限収納LV.∞、慈愛の心LV.∞、魔神化LV.∞、封印LV.∞、天災LV.∞、同性魅了LV.∞etc.


称号

異世界人、勇者、復讐を望む存在、大賢者、理を変える存在、聖女、人々の女神、魔王、魔神、神を超越する存在、法則を超越する存在、平凡を望む超越者


─────────────────────


 とまぁ、前世から何一つとして変わっていない、強いて言うなら称号が増えているためさらに強くなっている.....

 まぁ、それは置いといて今世の私も絶大な力を持っている。

 その為冒険者になるのは難しいかもしれないが、何とか頑張らないと.....


「あうあぁ....(はぁ....頑張って冒険者にならないと)」


 親がこない程度の声で私は声を出す。

 冒険者になるのもいいけどクソ女神にも復讐しようかなーと私は考えながら、眠りについてしまった......

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