僕が好きになったのはもう一人の君でした。
@yuya3645
第1話 君と出会った場所
冬が終わりに近づき少しだけ暖かい時期になってきたこの頃。
「はぁ~」と手に息を吹きかけ手を暖めながら僕は待ち合わせの場所に向かっていた。
僕は桜井優。大学2年生だ。
待ち合わせの場所へ向かっていると小さなカフェが見えた。
そのカフェは僕が1年前までバイトしていたカフェだ。それに彼女との出会いの場所でもある。
でも彼女は1年前から1本の電話を気に行方不明となってしまった。
その彼女の名前は咲。1つ年下の彼女だ。
その小さなカフェを見ながら「あれから1年か〜」
と思いながら歩いていると衝撃な物を見にする。
それは咲らしい女性がカフェの席に座っていたのだ。
僕は慌ててカフェに入りその女性の前へ立つと不思議そうな顔をしてこちらを見上げた。
間違いない咲だ。
茶髪で、髪はだいぶ伸びていて、それでも咲だ。
「咲!今までどこ言ってたんだよ!」
人目を気にせず大きな声で叫んだ。
「えっとー、人違いじゃないですか??」
と困った顔で返してきた。
そんなはずない!確かに咲だ!顔も瓜二つで声も似ている
「1年前の電話でちょっとそっけなくしたの怒ってるのか?ごめん。」
と言うと店員さんが横にきて
「お客様落ち着いてください。知り合いでなければ他の席に案内しますので」
と僕が興奮してるのもあり沈黙すると
「すみません私の知り合いです。迷惑をお掛けして申し訳ありません。」
と丁寧な言葉使いで彼女は対応してくれた。
咲はそんな丁寧な言葉使いはした事がなかった。
そう考えていると彼女が「えっとー、何か勘違いされてますよね?私の名前は橋本まなみです。」
「咲じゃない?」
そう答えると
「そうですよ。あなたが急に押しかけてくるからびっくりしましたよ」
と微笑んだ。しかし警戒しているようだ。
いや、そんなはずはない。言葉使い以外と髪の長さ以外全て一緒なんだぞ? そう考え混んでいると
「あのー大学のレポートがあるので私先に帰ってもいいですか?」
「君大学生なの?」
と聞くと
「はい大学1年生です。」
咲と一緒の年じゃないか!
「あのーもう帰りますよ??」
と自分の代金を机に置いて帰ろうとしていた。この気を逃したらもうなにもかも終わってしまうような気がした。
「ち、ちょっと待ってくれ。色々詳しい事を聞きたいんだ。連絡だけ交換してもいいかな?」
するとまなみは少し険しい顔になり「ナンパですか?!そういうの困るんで」
とすぐにも立ち去ろうとしていた。
「な、なら明日またこの時間にここで会おう!レポートも手伝う!僕は桜井優。大学2年生だ」
するとまなみは呆れたような表情で
「はぁ、わかりました。あなたのその必死な顔を見れば何かありそうですね。わかりました。ではまた明日」
と言い立ち去ってしまった。
そして僕は待ち合わせ場所へ向かった。
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