第44話 1軍発表

「おめでとう、アダン。」


王から直々の言葉。だが、アダンは納得いっていないようだった。


マアル戦での瀑氷、決勝でのミストーションを使わないクローカー。

実力で勝った気がしないのだろう。


「ありがとう、ございます。」


それでも渋々王からトロフィーを受け取った。


「皆の者、ご苦労であった。1、2軍は明日改めて発表する。今日はゆっくり休んでくれ。」


王の一言で壮絶だったトーナメントは幕を閉じた。ひどく、ひどく長い1日だった。


「飯、行かないか?」


ミゲルの一声で、アリサと3人で山盛りばあちゃんのもとへ向かった。


「俺は2軍だよな〜。」


ミゲルが悔しそうに言う。


「そんなのわからないじゃない!魔法を消すやつ、すごかったし!」


アリサの言う通りだ。

2軍というなら、俺だ。1回戦はただのアルフレッドの棄権。実力が認められるわけじゃないだろう。

2回戦は瞬殺だったし。


「どうしたんだい暗い顔して!たんと食べな!」


ばあちゃんの明るい声。ほんと励まされるな。


緊張を料理で流し込み、またも腹がはち切れるほど食べながら夜は更けていった。


翌日8時。

再び城に集められた兵士たち。


みんなのその顔は、分かりやすく緊張を表していた。

なんだか合格発表の時を思い出すな。


全員集まったことを確認し、ルービット王登場した。

今回は、王が直々に発表するようだ。


「では、今から1軍として活躍してもらう者の名前を読み上げる!1人目にーー」

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