第6話 ミーサの正体

「王の軍隊の試験ってどこで受けられるの?」


涙をゴシゴシと拭きながらミーサに尋ねた。


「毎年、4月と9月に王家が募集をかけていて、数人が合格するって感じね。かなり厳しくて、合格者0人なんてのもザラにあるわ。」


ははは、現実世界に似てるなぁ。


あれ、今って...


「あの、次の試験って..」


「今月よ」


「はひぃ」


人生で初めて出す、甲高い声が腹から顔を覗かせた。

はは、俺こんな声出せるんだな。じゃなくて。


「もし仮に、仮に俺が今月試験を受けたら受かったりとかは..」


「ほぼ無理ね」


「はっひぃ」


はは、まだまだ高い声出るじゃないか俺。いやだからそうじゃなくて。


ん?ほぼ?


「私が本気で鍛えれば、少しは可能性あるかもね。」


舌をペロッと出し、ミーサが笑う。


「改めて自己紹介するわ。私はアオル•ミーサ。ルデビト最強の魔法使いよ。」

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