第14話 ポルターガイスト実写版

海の見える山の上に住んでた頃、海の向こうにわずかだがネオンが揺らぐ街がある 



そこはまるで30年くらいタイムスリップしてドリフの大爆笑がやってた時代に志村けんさん演じる酔っ払いが手土産片手にはしごしてそうな居酒屋やカウンターのある赤提灯のあるお店がひしめく街であった 



近くに友人が住んでて週末になると待ち合わせをして飲みに行く事が多かった 



決まって迎えに行くのは私で運転手代わり、酒は飲まずに友人を車で迎えて私はお茶を飲み時より女の子がいる飲み屋さんやカラオケなどを行った 




小学生時代からの友人なので少々強引な誘いでもあったが遠い距離でも、まだめちゃイケのやってる時間に準備して香水を付けてガソリンを満タンにして迎えに行った 




黒塗りの車が友人の家に着くと合図をする 



友人は社長のように後部座席に座らせネオン街のビル目指し車を近くに止める 




その日は友人行きつけのスナックに行く事にした 



スナックでは一回り二回り下の女の子達が働く、スナックというよりキャバクラであった 




程よく酒を飲み、代行呼ぶ時は私も酒を飲んだ 



そこで尋常ないくらいの美人さんに出会った 



話し込み気が合うのだが、一つ気になったのは自分の知り合いも結構知ってて周りにそういった昔からの知り合いもいた 




なんか嫌な予感がしたのだがデートに行く約束をした 



その次の週の週末に約束した 



毎日一緒に歌ったカラオケの局を部屋で流したりしていた♪



が、無残にもデートは実行出来なかった 



デート1日前に記録に残る大規模な台風が来てその規模は戦後最大と言われた 



何とかヘクトパスカル?とか言ってその具体的な数値は忘れたが当初風速最大25メートルという公表だったが実際は50メーターを超えていてあれ以来お天気ニュースで少々誇張して言われるようになった気がする 



台風交差点の地元民にとっては25メートルはそよ風程度で誰も警戒してなかったからだ 



実際は動くスピードも遅く3日間地元に滞在した




私の家には昔撮ったTVが取材に来たコントの映像や漫才のビデオがあったが全て水浸しでダメにされた 



2階に住んでるのに部屋中膝まで浸かる雨水が被害の大きさを語っている 



あの時、私は雨風に吹かれながら洗濯機を置く小さな部屋に篭り両親に電話して来てもらったが 




老夫婦が来るには相当辛かったと思う 



風速50メーター吹く中SUVで駆けつけて真っ先に部屋をノックしたのは母だった 




雨風の圧でドアがもの凄い勢いで90度開く、まるで歯を絞めながら怒る人が開口一番怒鳴るかのようにドアは一気に広がりドン!っと鳴った 




その瞬間部屋中の家具が玄関入り口向けてぶっ飛んで廊下つきあたりまでぶっ飛んで行った 




間一髪母はドアの裏側に隠れた 




母を引っ張る時手を引っ張ったが、それはまるで映画ポルターガイストであの世の者達から母が我が子を守るように引っ張るようなシーンに見えた 




母と父は安全の為帰ってもらったが、ここまで来るまで大変だったんだ!と父に酷く怒られた よっぽど危険な道のりを来たのだろう 



そう、この辺りは山を切り崩しで作った新興住宅地、つまり自然に抗って作られた街 




それを、自然が「取り返しに」来たのだ。

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