第14話
町の外の草原で、アルト達はミキと向かい合った。
「ミキさんは、何故スライムを目の敵にするんですか?」
アルトが訊ねると、ミキは笑って答えた。
「あはは。愚問だね、アルトくん。モンスターは所詮モンスター。人とは相容れない」
ミキはそう言うと、ダガーを構えた。
「アルト君、君に恨みはないがスライムマスターの存在を認めるわけには行かない」
ミキがアルトに斬り掛かってきた。
「アルト君には、ここで死んで貰う」
「アルト、アブナイ」
すらみがミキに体当たりをした。
「ちょろちょろと、うるさいスライムだ」
ミキはすらみを殴ると、呪文を唱えた。
「ブリザード!」
アルトは一瞬速く、すらみに強化呪文をかけた。
「すらみ強化! 魔法防御!!」
「遅い!!」
ミキのダガーがすらみをかすった。
すらみから体液がこぼれた。
「サンダー!!」
ミキはすらすけに呪文をかけると、ダガーを突き刺そうとした。
「すらすけ強化! 物理防御!!」
すらすけの体はミキのダガーをはね返した。
「やはり、君を倒さないといけないようだね、アルト君」
ミキはアルトに刃を向けた。
「ミキさん! もうやめて下さい! 僕達には戦う理由がありません!!」
アルトの叫び声をきいて、ミキは舌打ちをした。
「私の村にもスライムマスターがいてね」
ミキはアルトに斬り掛かった。そして、アルトの耳元で言った。
「スライム達の大群があらわれて町を滅ぼした」
アルトはひるんだ。自分の町もモンスターに滅ぼされたことを思い出したからだ。
「アルトくん、モンスターと仲良くなんてなれない。早く現実を見た方が良い」
ミキはダガーでアルトの頬に傷を付けた。
「アルト、ヒール!!」
すらみがアルトに回復魔法をかけた。
「ワタシ、アルト、シンジル」
「ほう、スライム風情がしゃべるのか? 上等だな」
その時、待ちの傍の森からゴブリンの大群が現れた。
「ミキさん、今はそれどころじゃないです。ごぶりんを倒さないと、町が危ない!!」
「邪魔が入ったようだね。……一時休戦としよう、アルトくん」
ミキとアルトはゴブリンの群れに向かって走り出した。
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