第2話
アルトは隣町の冒険者ギルドに着くと深呼吸をした。
「ここが冒険者ギルド……僕が冒険者になれるのかな?」
アルトはこみ上げてくる不安に飲み込まれそうになったが、顔を叩いてしっかりと前を向くと、重い扉に手をかける。
大きな扉を開けると、中には色々な装備を身にまとった冒険者達が沢山いた。
「あら、坊や? ここは冒険者ギルドよ? 貴方、間違えて入って来ちゃったの?」
露出の高い、スリットドレスを着た店主がアルトに話しかけてきた。
「いいえ、僕も冒険者になりたくて来たんです。怪我をした父のために、王都に行ってエリクサーを手に入れるんです」
「王都へ行きたいの? それなら、あそこのパーティーが丁度メンバーを探していたわよ」
「ありがとうございます」
アルトは店主に礼を言うと、紹介されたパーティーに声をかけた。
「あの、すいません! 僕、アルトと言います。パーティーに加えてくれませんか!!」
物憂げな魔法使いが返事をした。
「キミ、戦えるのかい? 私の名前はユーナ。このパーティーのリーダーだ」
ユーナの年は18くらいだろうか、ローブからはみ出している金髪が、しなやかな体に沿って流れている。
「山の裏でスライムを倒すくらいはしていました」
アルトが答えると、ユーナは渋い顔をした。
「スライムか……。どうする? 皆?」
「まあ、人数あわせには成るんじゃない?」
答えたのは剣士のイザベルだ。
「冒険者ギルドにくるのなら、それなりの覚悟と力があるのだろう? 俺も構わないぜ」
弓使いのドロスは、アルトを見て言った。
「やった! それじゃ、王都まで一緒に行けるんですね!?」
「キミが足手まといじゃなければね」
ユーナはアルトに右手を差し出した。
「よろしく、アルト」
「はい!! ユーナさん!! 皆さん!! おねがいします!!」
アルトは、はじめての冒険者パーティへの参加でドキドキしながら、パーティーの皆に礼をした。
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