はいっ! 霊(麗)です

@haretokidokimomo

第1話 私事


 皆様初めまして

私の様な者の為に、貴重なお時間を割いていただき、誠に有り難う御座います。

私事で恐縮ではありますが

どうしても皆様に話しておきたい体験談が御座いまして

乱筆に付、解釈し辛い箇所が多々有るとは思いますが

何卒寛大なるお心で、この文章に目を通して頂ければ幸いかと存じます。


それ程までに印象深い


とても素晴らしい体験をさせていただきました。



少し長くはなりますが


どうぞよろしくお願い致します。      早々



ー-----------------------------------

 何年経とうが決して忘れられない出来事・・・・。


あの日から始まった

不思議な

そして幸せな思い出の数々。


絶対に忘れない



私にとって掛替えの無い君・・・・



私に生きる意味をくれた君・・・。






ー-------------------------------------




この歳になってくると兎に、会社の荷物扱いが酷くて悲しくなります。


私は【主任】ですが

影響力は全く無く

何らかのプロジェクトリーダーを任されたりとか

重要会議に呼ばれて発言だったりとか

そんな尤(もっと)もらしいものなんて不毛でして


リーダーシップなぞ必要のない、本当にお飾りの様な肩書になっております。


ではいったい何をしているのかと言いますと


それは部下達と何ら変わらず

只与えられた作業のみを、日々コツコツと熟(こな)していくだけの


そう、産業ロボットに成り切るのが私の仕事です。



それなのに


部下や取り巻きが問題を起こすと

ちゃっかりと責任だけは執(と)らそうとするのですから


何て言えばいいのか・・・


なすられ係?・・・


いや【人柱】?・・・


あーなんでもいいですよね


其処だけは管理職として扱ってくるので

不公平にしか感じず、なんだか気が滅入ります。





無論前向きに考えた時期もありまして



上司に付き纏って、ゴマを磨り倒して

コネでのし上がろうとしたり


大口の顧客を営業で取ってやろうと

取引先の担当者に張り付いて媚びを売ったりとか



色々とやってはみましたが

慣れないことはしない方が身の為でして


返って仇となり


皆から

【憑依霊】だなんて

亡霊みたいなあだ名を付けられてしまいました。


人生なんて上手くいかないのが当たり前だとは承知していても


【憑依霊】とは


いったいなんなのでしょうね。




あっ、申し遅れました


私は【泉山 九州男(いずみやまくすお)】と申します。

53歳の独身(未婚)で

付き合った事すらも無い

【おっさんチェリー】です。


ー---------------------------------


 私がしている業務内容は、もっぱら穴埋め要員で


自社内部の人材不足の部署に行き、そこに補充される迄留まって

新たな人材が派遣されたら作業内容を引き継いで

又次の欠員場所へと異動する


そんな仮止め作業を常に繰り返すのが主であります。


特に夜間の業務は抜きん出て人手不足が顕著で


配送だけを見ても、壊滅寸前まで悪化しており


私みたいな他部署からの応援が無いと

直ぐに立ち行かなくなる迄に酷くなっておりました。


その為、なかなかその場所からは抜け出せず

気が付けば、私は夜間配送の仕事ばかりしていて


ここ迄ずっと、色気の無い人生にも浸っておりました。


と言うのも

夜間配送は、一般の人(大多数)が寝静まった頃に作業(運転)を行うものでして

その為に、必要最小限(作業従事者と協力会社)位しか会う機会が無く

しかも営業トラックを自身だけで運転し、指定場所へ配送するものですから


仲間うちだけ


しかも男性としか会う機会がありませんでした。



それに加算される様に

私には【ミリ】も魅力が無く


過去に「存在自体がうっとおしい」などと、数多の異性から告白された経緯もありまして


同性からは一切、性格等の不備の指摘は無いのですけれど


もしかしたら

私が気付かない部分に


致命的な欠陥が有るのかもしれませんね。



製品だと欠陥品は【破棄】される運命ですから

後々に、私はこの社会から破棄される運命を辿っているのかもしれません。


だとしたら


私は何の為に生まれてきたのですかね?


深く考えると辛くなります。




ー----------------------------------


 無論私にも趣味嗜好がありまして

車が好きだったりとか色々ありますが



特に変わっている所で言いますと


アイドルグループ

【激坂47、四万十麗(しまんとれい)】


彼女のファンであることでしょうか。




別に彼女がとかじゃなくて

53にもなるオッサンの私が、アイドル(四万十麗)にお熱を上げている部分が変だという所で御座いまして


何でしょうか



推しになった理由も、記憶が定かでは無く

気付けば好きになっていた経緯となりますので


「どうして彼女なの?」と言われましても


返答に苦慮します。



他の女子には興味が沸かないのに


私に何があったのでしょうかね?



それで



 仕事をしている範囲内に、昼間より1時間多い

計2時間の休憩時間が有りまして


その時間になりますと大概、四万十麗のエゴサをしたり

動画や画像を眺めてたりしています。



これが家でするより遥かに充実しておりまして

今では【神の時間】と称して

大切に使わせていただいております。


写真立ても、会社には内緒で営業車に置き


時折ニヤニヤしながら眺めて


日々の激務に精進しております。










あーゴメンなさい、私の話などツマラナイですよね


早速本題に入ります。



ー----------------------------------




 仕事で使う道は基本

100%ではありませんが、会社が指定しておりまして

そのルートは、山道や街道など多岐に及びますが

夜間でも比較的に交通量が多い道ばかりが選択されていて、車間さえ十分に取っておけば、街灯も有り見易く、且つ安全に走行できる利点があります。


流石に暗闇を単車両で恐る恐る走るのは、少々心細いですし

会社から安全が担保された道を通る安心感は

作業効率を上げるのには、もってこいの条件でした。


ですから率先して指定ルートを通り


今まで事故や違反等はありませんでした。




 そんな決められたルートを走行している最中に


本題であります


貴重な体験を


そう



あの子との出会いを迎えることとなりました。
























  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る