白い羽根と黒い羽根、すべてを君に…。
涼
第1話 捨てられない想い出。
怖くなんてなかった。
君が何を祈ろうと、何を呪おうと、僕はその言の葉通り、この羽根を差し出すまでだ。
それが、例え愚かで醜い君だとしても、僕の羽根は、君の為の、君の為だけにあった。
僕は、僕の運命を知らず過ごしていたけれど、一つ、解っていることがあった。
僕は、君が好きだった…いや、大好きだった。
唯、それだけ。
それでも、君ははこうして僕をこの場所に縛り付けた。
君の為なら、僕は死ぬ覚悟だってあったのに…。
君の言の葉は、僕の羽根を抜いては生やし、生やしては抜いた。
僕が傍にいようがいまいが、関係なく。
それをどうこう言うつもりはない。
だけど、それは、君が幸せになるなら、と言う条件のもとにあった。
こんな風に君を失った僕は、一体自分になんて言ってやればいいんだい?
それだけ教えに帰ってきてくれはしないだろうか?
あの白い羽根は、僕の机の一番隅っこで眠っている。
捨ててしまおうかと、何度も思ったけれど、出来なかった。
この白い羽根と一緒に天に召される時、その時は、伝えたいんだ。
「僕は君が大好きだった」と―…。
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